「いたっ・・・もう少し優しく」
背中の傷に貼った薬草をはがしていた。そんな事を言われると・・・
「いだっ いたたたた 鬼か!!」
一気にはがしてやった。
「それで、君の名前は?」
「私の名前は花、鉱石を中心に宝石や装飾品等の商売しています。体は売ってませんが私の体を見た料金は請求しますよ」
薬を塗る指に力が入る。
「痛いって、そういう戯(たわむ)れはお断りです」
薬を塗る指に、ますます力が入る。
「すいません 私が間違っていました。」
指の力が抜けたようだ。
「しょうがねーだろ、全身傷だらけの上に薄汚れていたし」
「汚れていたのは、わかりますが・・・傷は無いですよね? 私の体が目当てなんですか?」
意味が分からない、顔は美人でスラリとしているが出るとこは普通であり・・・
「何か言いたそうな顔してますが?」
俺は焦りながら
「傷が無いのは薬が効いたからだし、お金は一切持っていないので請求されても払えないぞ」
「何言ってるの? そんな簡単に傷が治るわけないでしょ? そんな薬と言えば最高級品質でも無理、神秘級なら別ですが簡単には手に入りませんよ? 若いから見たいのはしょうがないですけど、38歳をこ・・・永遠の38歳の体を見たってしょうがないでしょう。こんな辺鄙(へんぴ)な森に住んでいるからお金は持ってないのは、わかりますけど ガハハハ」
彼女は豪快に笑った。 あれ? 若いから?
「花ちゃんから見たら俺は何歳くらいに見えるの?」
「花ちゃ・・・まぁいいわ。少し変わった人みたいだしね。普通それは女性が聞くものだけど、18歳くらいでしょ?」
鏡を見ていないのでわからなかったが、どうやら18歳らしい。今日から年齢不詳ではなく18歳だな。
「あとの傷は自分で塗ってね。料金は払えないので・・・それよりも変な人に見えるの?」
背中の傷の治療が終わったので傷薬を花ちゃんに渡す。
「まぁ、普通の人は怪しむわね? ほかに大人の人がいるなら別だけど、こんな辺鄙な場所に若い子が1人でいるし犬猫と会話してるからね。精神感応能力を知らない人は変な人だと・・・ えーーーーーー!!」
俺でも変な人だと思うかもしれないな
「これって・・・」
俺が渡した傷薬を真剣な目で見つめている。
「傷が見る間に治るから解析で確認したけど、どこで手に入れたの? これ神秘級の傷薬やん」
「俺が作った薬ですけど?」
「はぁーーーーーーーーーーーーー? ありえないわ!」
「嘘を、ついても意味ないでしょ?」
「それもそうだけど・・・高水準のの薬剤師が作っても極稀にしか出来ない物だよ? 最低でも金貨10枚以上の価値があるよ」
俺は、いつの間にか高水準以上の薬剤師になっていたらしい。
つづく