はじまりの夢29 | 遊人 World

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この世界の物語はフィクション!! 気分で? 音楽・魚・植物等
(トラブル防止の為、二次使用禁止)

「いってきまーす」

 

元気よく飛び出して行った、たまごの後を あまいがついて行く。

 

「たまごの事、頼んだぞ」

 

「まかせて」

 

たまごは無鉄砲な所があるので あまいに頼んでおかないと何をするか・・・わからないからね。

 

俺は昨日、出来上がった包丁や武器を研ぐ作業に取り掛かる。ノミ・カンナを研いだ事があるので楽勝だ。続いて包丁等の柄・矢じりを付ける矢・訓練用の木刀の製作をすることにした。

 

「おなかすいたー」「ただいま帰りました」

 

気がつけば昼だった。

 

「おひっる おひっる」

 

「まだ、作ってないぞ」

 

「えーーーーーーーーーーーー」「まじで?」

 

たまごが落胆するのはわかるが、なぜか あまいも落胆していた。たまごに振り回されたのか珍しく泥だらけだった。

 

「とりあえず水浴びをして、この柄に少し力を入れて咥えろ。違和感がある部分を覚えておけ」

 

2匹が水浴び等をしてる間に昼飯を作る。

 

「どこで遊んで来たの?」

 

「川で泳いだり魚を取ろうとして・・・」

 

「たまごちゃん!!」

 

あまいが話の間に入ってきた。

 

「で、あまい何の悪さしてきたの?」

 

「悪さと言うか・・・直してきたので大丈夫です」

 

「ん? なにしたの たまご」

 

「魚を取ろうとして罠を壊したけど、ちゃんと直してきたよ」

 

それで あまいが泥だらけだった意味が分かった。

 

「直してきたなら、いいよ」

 

壊した場所によっては手直しが必要だが・・・直したことに免じて怒らない事にした。

 

「柄に違和感あった?」

 

「んと、ここ」

 

そんな話をしながら昼飯を食べた。

 

「いってきまーす」

 

行ってくると言って、すぐそこのシーソーに向かう。

 

「飽きたんじゃなかったの?」

 

「作業で乗るのと遊ぶのは違うんだ。ねっあまいちゃん」

 

「そうだね たまごちゃん」

 

意味が分からないが、しかたがないので ふいごの先を2匹に向けてやった。

 

「なにこれーすずしーい」

 

「ご主人様、ありがとうございます」

 

「おう、好きなだけ遊べ」

 

2匹は喜んでいたが、ふいごの先は4つある。2匹に1つずつ、残りの2つは俺に向いているのだ。そんな馬鹿な2匹を遊ばせながら作業を再開した。

 

 

つづく