「なにそれー」
シーソーに乗りながら出来上がった型を見て たまごが言った。
「これが包丁で、これが鍋だな あとは・・・」
「あっそう」
たまごは興味をなくしたようだ。あまいは元々興味がなさそうだ。
「興味なくすくらいなら聞くなよ」
「だってーなんだろうと思ったんだもん」
「おまえらの物もあるんだが・・・」
「えっ!なになに?」
あまいが興味を持ったようだ。
「おしえなーい、出来てからのお楽しみだな 頑張れよ」
「教えてくれないとシーソーの動きが遅くなるかもよ」
「いいけど、失敗したら最初からだぞ?」
「・・・・・・」
あまいは青い顔をしている。
「頑張ってくれたら、ご褒美に今日の晩飯はお好み焼き味の野菜炒めを作ってやるぞ」
「なにそれ、おいしいの?」
たまごが反応した。
「ソースが出来たので、ソースとケチャップを混ぜた液体で味付けした野菜炒めにマヨネーズをかけた料理だ」
「ソース?」
「お前がつまみ食いをしようとして蹴られた液体だよ」
「あーーーー ! あれ、おいしくなかったらご主人様を蹴っていい?」
「たまごちゃーん おいしくても、おいしくなーいってご主人様を蹴っちゃえば?」
あまいの おでこにデコピンがさく裂したのは言うまでもない。
そんな話をしているうちに日が暮れ、融けた鉄を型に流し込んで作業が終了した。
つづく