「ごそごそ・・・」
朝方、妙な音で起きてみると あまいがたまごを自分が寝ていた布団に転がしていた。気にならなかったので眠ることにした。
「バタバタ・ドタドタ」
うるさくて目が覚めた。
「どうしたの?」
「なんでもなーい」
たまごは隠している?つもりかも しれないけど布団が一枚無かった。
「たまごちゃん 気にしないで」
「昨日ちゃんとおトイレに行って寝たのに・・・」
2匹の会話を聞きながら朝食を作りみんなで食事をした。
「じゃ、今日も頑張ってね」
「はーい」「はいはい」
「実は今日、朝方あまいが・・・」
「いってきます」
何かを察した あまいがたまごを連れて飛び出していった。やはりと思いながら竹を切り炭を作る作業に取り掛かる。
「ただいまー」「つかれたー」
昼になり2匹は帰ってきた。昨日、痛い所をつかれたので昼飯はちゃんと用意している。食事を終え2匹の一輪車に竹を乗せ炭焼き場まで一緒に竹を運ぶ。
「今度から、ここに竹を運んでね」
「はーい」「ええ」
「実は、あまいが・・・」
「やればいいんでしょ?がんばるわよ」
もう気づくはずだが、たまごは全然気づいてないので黙っておくことにした。2匹が砂鉄取りに行ったので拠点に帰ることにした。竹を切りながら地下室の壁製作をするためだ。
「ごはーん」「ただいま」
竹の油を抜いてると2匹が帰ってきたので夕食にすることにした。
「たまご、寝る前にトイレに行けと・・・」
「行ったんだけど おかしいなぁー」
「たまごちゃん 気にしないで、いいと思うよ」
あまいに睨まれたのでこの話題はこれで止めておこう。
「ごしゅじんさま、あの辺りから変な匂いがするよ?」
「あーーーーーーー忘れてた」
砂鉄に興奮して、忘れていた物を たまごに気づかされた。土を掘り起こして壺のふたを取るとツーンとする匂いが広がる。
「くさーい くちゃい、フタしめてー」
液体を少し取り出しフタを閉める。少し舐めてみると完成してるようだった。液体を濾して水で薄めたものを2匹の前に出す。
「飲んでみろ」
「くちゃいので、いらなーい」
「あまいは飲むよな」
弱みを握られている あまいは渋々飲む。
「おいしーい」
「えっ! ほんとに?」
「たまごさんは、いらないと言うので没収です」
「のむのむ・・・ゴホッ」
焦って飲んだ たまごはむせた様だ。
「おいしーい」
「じゃあ、俺も飲んでみよ」
「毒見ですか?」
あまいが冗談ぽく言った。おいしいのは、わかっていたのだ。低温で砂糖を追加すると大人の飲み物になるが手を抜くと酸っぱい酢になるのだ。果実酢を薄めて飲めばおいしいのは当然だよね。
俺は酢が出来たので2匹を放置して酢を濾す作業に取り掛かる。気がつけば、さっきまで臭いと騒いでいた2匹だが眠ったようだ。まあ、気にせず作業を続ける。
つづく