「カリカリ・カリカリ」
何かをひっかくような音で目が覚めた。また、たまごかと見ると昨日の疲れかスヤスヤ眠っている。
「カリカリ・カリカリ」
どうやら黒い卵から聞こえてくる。
「たまご起きろ、出てくるかも」
「スヤスヤ」
たまごは起きそうにない。
「シャキーーーン」
何か切れるような音がした。
「上部分の殻、とって」
放置して寝ることにした。
「聞こえないの?上部分の殻、とって」
何か言ってるが、放置して寝続ける。
「くろい卵が上の部分とってと言ってるよ」
どうやら、たまごが起きたらしい。
「ほっといて、寝なさーい」
「かわいそうだよー」
「人に物を頼む時は、お願いするのが基本です。上から言う人は放置しなさーい」
「でもー」
「寝ないなら、飯抜きで」
「ごはん抜きでもいいので、助けてあげて」
「駄目なものは、駄目」
放置して眠る。
「くろい卵さん、おねがいしないと取ってくれないよ」
「えーーーーいやだし、たまごちゃん取ってよ」
「まかせて」
「うーん・・・とれなーい」
「たまごちゃーーーーーーん!!」
朝、起きてみると たまごが一生懸命?上部分を外そうとしてる。少しずれているのだが上に持ちあがらないらしい、それを横目に朝食を作ることにした。
「上の部分の殻を取ってください、おねがいします」
「たまごも、おねがーい」
朝食を完成させた俺は、面倒くさいが取ってやることにした。すると黒い物体が飛び出した。
つづく