叔父の古本屋に居候している休学大学生芳光は、死んだ父の残した五つの「結末のない物語」を探して欲しい
と依頼される。リドルストーリーに隠された秘密が示すものとは?
『氷菓』の作者が描く精密な本格ミステリ。読むうちに広がるじわじわとした恐怖!
『氷菓』 がアニメ化されて この著者を知り そこから著作を読んでった時にであった作品ですね。
この人は ほんとに 文章の構成というか 技工が うまいなぁ と感じる作家さんですね。
以下あらすじ!
父親が死に 学費が続かなくなった 菅生芳光 は 大学を休学。
叔父の家に居候していた。
叔父は古書店を営んでいて 芳光もそこで アルバイト とは聞こえがいいほどの
やる気のない手伝いをしていた。
そんなある日 北里可南子 という 女性が訪れる。
なんでも 父親が残したという 五つのリドルストーリーを探して欲しいというのだ。
リドルストーリーとは “結末のない物語”
つまり 物語の中の謎に対して 明確な答えが与えられないまま 終わる物語。
その結末だけを 五篇 彼女は 見つけたという。
芳光は 漠然として だらだらとした 生活から抜け出す道があるように思って
その依頼を受ける。
可南子の父親の大学時代の友人など
あらゆる人に話を聞いて集めていくうち
芳光は 可南子と そして その父親が とある事件に関係していることに気付く。
その事件 『アントワープの銃声』 の真実とは。
五つの“結末のない物語”に隠された 答えを探す 物語。
感想!!
とにかく 出だしは凡庸。
これは著者の作品どれをとっても 受ける印象です。
しかし 3頁も捲れば 後は 引き込まれるだけです。
依頼を受け 動き始めたあたりの芳光に 少しづつ読み手は同調していって
出会う人々から与えられる ヒント 虚偽 真実 それらを 感じながら
物語は答えへと進んでいく。
そんな作品です。
いやぁ 読み終わったあとは ほんとに ため息しか出てこないwww
疲れるんだ。一緒に謎解きしている上に 作品の中で芳光が移動した距離を
もろに 自分も感じているようで。
読むのにも 体力がいるかもしれないですね。
でも その疲れが心地いい。
最後の結末を知った時は 心臓が止まるかってぐらい ハッとしますけどwww
でも本当に 技術的にも ストーリーの構成としても 秀逸な作品です。
リドルストーリーの内容も 素晴らしいものでした。
決して 通勤通学の途中で読んじゃダメな作品。
続き気になっちゃうからw
時間があるときに ペットボトルの水と チョコレート 用意して
一気に読んで欲しいですね。
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