まだまだ日中は暑い日がつづきますが、朝夕は涼しい風が吹くようになりました。だんだんと秋の気配を感じます。芸術の秋、読書の秋、スポーツの秋。なにかを始めたくなる時期ですね!
2024年8月24日の夜、夫と共にすてきな文化体験をしました。
モーツアルトの名作オペラ『フィガロの結婚』をDVDで鑑賞したのです。夜8時から11時までの3時間、わたしたちは音楽の魔法に浸りました。この作品は、カール・ベーム指揮のもと、世界的に有名なウィーンフィルハーモニー管弦楽団の演奏で彩られています。出演者たちのユーモアあふれる演技に、すっかり魅了されてしまいました。
冒頭ちかく所用で見れなかったこともあり、ストーリーの全体像を把握するのに少々苦労しました。特に印象に残ったのは、オペラの冒頭に登場した夫婦でした。彼らがフィガロに対して強い恨みを抱き、復讐を誓っている様子が描かれていましたが、その理由がよくわかりませんでした。彼らの怒りの源泉や、フィガロとの関係性についてわたしは悩んでしまいました。
そんな中、夫の解説によると、当時オペラは貴族階級のものだったけれど、モーツアルトは庶民を対象にしてオペラを作った。この『フィガロの結婚』は、貴族階級を愚弄しているところがあり、何回も上演禁止になった曰く付きのモノなんだと言います。
では、どんなふうに貴族階級を愚弄しているのでしょうか。以下はネタバレです。
### あらすじ
**第1幕**: フィガロとスザンナは結婚の準備をしていますが、アルマヴィーヴァ伯爵がスザンナに興味を持ち、「初夜権」を復活させようと企んでいます。フィガロとスザンナはこれを阻止しようと計画を立てます。
**第2幕**: 伯爵夫人ロジーナは、夫の愛が冷めてきたことを悲しんでいます。フィガロとスザンナは、伯爵を改心させるための計画を練ります
**第3幕**: フィガロの出生の秘密が明らかになり、彼が実はマルチェッリーナの息子であることが判明します。これにより、フィガロとスザンナの結婚が一時的に中断されますが、最終的には解決します。
**第4幕**: 伯爵夫人とスザンナは、伯爵を懲らしめるために変装して計画を実行します。最終的に伯爵は自分の過ちを認め、夫人に謝罪します。フィガロとスザンナは無事に結婚し、物語はハッピーエンドで終わります。
☆「初夜権」とは、中世ヨーロッパの一部の地域で存在していた慣習で、領主が新婚夫婦の初夜に花嫁と関係を持つ権利のことを指します。この慣習は、領主の権力の象徴として機能していました。貴族階級の間では、この権利がある程度一般的に認められていたようです。しかし、実際にどの程度行使されていたかについては、歴史家の間で議論が分かれています。
この慣習は、時代とともに廃れていきましたが、その存在自体が封建制度の不平等性を象徴するものとして、後世の文学作品や芸術作品でしばしば取り上げられています。『フィガロの結婚』においても、この「初夜権」が物語の重要な要素として登場し、貴族の横暴さを批判的に描写する手段として用いられています。
明日は、この喜劇の重大なポイント、フィガロの出生の秘密についてAIを駆使して語ります。ネタバレなのですが、知っていても充分この喜劇を楽しめます。よろしくお願いします。