日本の音楽の不思議

日曜日の昼前。
テレビをつけていると聞こえてくる番組があります。

 

そう、NHKの「のど自慢」です。

 

 

先日もその音がふっと耳に入ってきました。
思わず耳をそばだてて聴いてみると、やっぱり面白いんです。

何が面白いかというと、歌われている曲です。

 

若い人が歌っているのに、
曲は昭和の歌が多い。

 

これ、不思議ですよね。

でも、よく考えてみると理由は簡単です。


今のJ-POPは、とにかく歌うのが難しい。

 

 

音域は広いし、リズムは速い。
しかもバックの音楽がかなり派手で、電子音がドンドン鳴る。

低音も効いていて迫力はあるのですが、
その分、歌詞が聞き取りにくい曲も増えました。

 

昭和世代の私からすると、正直なところ
「歌うの大変だな」
という音楽も少なくありません。

 

もちろん、それはそれで一つの個性です。


ただ、歌そのものよりも、バックのサウンドの方が主役になっているような曲も増えた気がします。

 

だから、のど自慢に出る人たちは自然と

歌いやすい曲

を選ぶのでしょう。

 

昭和歌謡、ポップスああが断然多い気がします。

 

こういった昭和のポップスやニューミュージック

もちろん演歌も必ず何曲か入っています。

 

演歌は、楽器の派手さよりも
人の情や哀愁を声に乗せて歌う音楽です。

だから昭和でも平成でも、あまり大きく変わらない。
ある意味、安定したジャンルなのかもしれません。


機械が歌を採点する!?

 
 

ところで、もし私が「のど自慢」に挑戦したらどうなるか。

たぶん落選するでしょう(笑)。

 

今は「カラオケ採点」というものがあります。
テレビでもよく見る採点システムです。

 

あれは

  • 音程

  • リズム

を中心に非常に正確に判定します。

 

しかし、人間が感じる歌の魅力というのは、それだけではありません。

  • 声の表情

  • 感情

  • 表現力

そういうものも含めて「歌」なんです。

 

機械はまだ、そこまでは聴き取れません。

 

だから私は海外のオーディション番組を見ると、
「なるほどな」と思うことがあります。

 

例えば
America's Got Talent

Britain's Got Talent。

 

これらの番組では、機械採点はしません。

一流のプロデューサーやミュージシャンが、
その場で歌を聴いて判断します。

やはり歌は、
人間が人間を聴いて評価するもの
なのだと思います。


音楽コンクールというビジネス

 

音楽の世界には、もう一つ面白い側面があります。

声楽のコンクールなどでは、
参加費が1万円とか2万円とかかかることがあります。

仮に20人参加すれば、
それだけで40万円。

一人の歌う時間は5分程度。

もちろんホール代などはかかりますが、
「これはビジネスとして成り立つな」と思うこともあります。

ポップスの世界でも、似たような話があります。

インディーズが主催するオーディションで

  • 入所料

  • レッスン料

  • カリキュラム費

などを請求されるケースです。

夢を追いかける若い人たちにとって、
ここは少し注意したほうがいいところでしょう。


いまは誰でも発信できる時代

もっとも、今は時代が大きく変わりました。

昔は音楽で世に出るためには

  • レコード会社

  • 芸能事務所

の力が必要でした。

しかし今は

  • YouTube

  • Instagram

といったSNSがあります。

10代でも20代でも、
自分の音楽を世界に向けて発信できる時代です。

ファンを作るだけなら、
実はネットで十分可能になりました。

もちろん、大きな事務所に所属すれば
知名度を上げるスピードは速いかもしれません。

ただ、芸能の世界もビジネスです。

投資価値があると判断されなければ、
お金は動きません。

これは今も昔も同じでしょう。


日本の音楽界の「壁」

 

 

もう一つ、日本の音楽界を見ていて思うことがあります。

欧米では

  • ポップス

  • ミュージカル

  • 俳優

  • クラシック

こうした人たちが、かなり自由にジャンルを越えて活動しています。

しかし日本では

  • 演歌は演歌

  • ポップスはポップス

  • 声楽はクラシック

  • ミュージカルはミュージカル

  • 俳優は俳優

という具合に、ジャンルの壁がとても強い。

まるで業界ごとの縄張りがあるようです。

これが日本の音楽の層を少し薄くしているのではないか、
そんな気もします。


若い人たちに伝えたいこと

日本には本来、実に多くの音楽があります。

  • 民謡

  • 童謡

  • 唱歌

  • ジャズ

  • シャンソン

  • カンツォーネ

  • カントリー

ところが、こうした音楽は
「古いもの」として扱われがちです。

海外のオーディション番組を見ると、
若い人たちが自分の国の伝統音楽を堂々と歌っています。

日本でも、もっとそういう姿があっていい。

私はそう思います。

 

もし若い人たちが

いろいろなジャンルの音楽を経験しながら、自分の個性を作っていったら

きっと、

 

日本からもっと面白い音楽が生まれるでしょう。

 

世界に向けて発信できる、
深みのある音楽が。

そんなことを、日曜日の「のど自慢」を聞きながら
ふと思ったのでした。