70歳も超えると流石に、もう雪の上では自転車には乗れない、そこで暇か?というとそうでもないこの頃である。

最近ギターに目覚めて、人生初めて真剣に練習に取り組んでいる。

楽器は14歳の時からいじっているのだが、これと言って極めたものはない。

まぁ、その時のバンドの事情ということで担当楽器はその都度変わり、最初はウッドベース(コントラバス)を18歳までいじくり、22歳ころまではコードしか弾けないギター、そして仲間が置いていった最も安いピアレス5弦バンジョーをポロポロと鳴らす程度で、真剣に楽器を極めようと意識はなかったと思う。

それからはもっぱら音楽は、聴くことに専念で楽器はいじらなくなった。それから40年近く経ったとある日、私のギターがとんでもなく?マニアには人気のあるギターだと知り、それを眺めてはギターを再度弾き始めた。その時も昔の曲を1人で弾いて楽しんでいたくらいである。

 

そのマニア向けのギターがYAMAHA FG-180ライトグリーンラベル、当時の価格は18,000円、高卒の初任給と大して変わらなかった。その1~2年後販売されたに同型の赤ラベルは結構探せば見ることはあるが、このラベルはまず見ることが出来ない。日本で最初の国産フォークギターらしい。

そう言われてみれば14歳でバンドを結成した折(1963年?)にはフォークギターらしい物は存在していなかった気がする。ギターは弦がナイロン製のクラシックギターを兼用していたし、カポタストも存在すら知らず、ラジオやレコードから流れるギターの音色が不思議でならなかった。中学生の時に親に連れられてバンドメンバーと聴きに行ったブラザースフォーのコンサートで初めてカポタストを知る。

 

現在私が所有している楽器群は、そんな訳で年代物が多く現在も現役として使用している。

先ほどのヤマハFG-180ライトグリーンラベル1966製か1967製、記憶が定かではない。そしてピアレス5弦バンジョー正式な形式は不明ながらこれも1967製で、少し遅れた時代のKASUGA5弦バンジョーRB-1200である(最近ネットにて購入)。実はウッドベース(1964年購入)も所有していたのだが、人に貸したっきり、行方知らずとなってしまっている。

 

60歳を超えてからカイチョーと再び音楽を楽しみ始め、その時は所有していた楽器で満足していたのだが、さすがに50年前後の楽器をいじくっていると引退させてあげたくなるもので、ギターは最近新古物でYairi DY-18ギターを購入した。そこで音質なるものの違いに驚き、徐々に楽器へ対しての深みにハマっていったようだ。

 

当時はギターの合板や単板も知らず、弦高ってなんや?ギターといえばヤマハFG180しか知らなかったわけで、それはそれで満足をしていた。音量は出るし、低音も高音もストレスを感じることはまずなかった。

しかし、Yairiを手にした時の驚きは別次元のギターに思われた。透き通る高音、腹に響く低音、ピッキングした時のチャリンチャリンの音は私好み!それは素人でも判る。FG-180ではまず聴けない音質!

そうなってくると、このギターがコピーをしたMARTIN D-18というものはどんな音がするんだろうと興味津々なのだ。

しかしこのD-18とやらは新品でも中古でも驚くほど高い!20万前後はする。それも中古での話だ。

 

私はギターに関しては、あまりテカテカした煌びやかななのは好みではない。

MARTINなるブランドは数多くの機種をリリースしている、名器と言われるその筆頭はD-28やD-35、そしてD-18であるのだが、D-28とD-35はD-18にたいして煌びやかで「金持ちぃ」という感じのギター、D-18はその個体を見ていると「なんでこれが何十万もするのだぁ?」てな感じなのだ。そこがいいではないか。

 

なにせ浦島太郎ごとく古典的な和製フォークのストローク(ダウンダウンアップアップダウン)しか知らなかったから、突然1,2,1,2の2拍子のダウンピッキングは簡単そうで簡単に習得できなかった。けどこの2拍子をマスターすると実に幅が広がり、選曲の選択肢やマンドリン演奏への移行、少しのアレンジでウクレレ演奏にもつながる。

最近ではリードにも目覚め挑戦している。練習での上達は誠に遅いのであるが、我々のバンドは上達を急がさない長所?がある(笑)。そして一つ一つ課題曲をマスターしていく喜びは、ますます練習する気になる。

今年は無理でも来年にはギターソロで弾けるようになりたいと念じている。バンドにギターソロが入ればフィドルフィーチヤーと共にレパートリーに幅が出るというもので上達するということは良いこと尽くめになる。

 

実は密かにMARTINかGibson J-45あたりを物色している。なぜ突然Gibsonかというと、低音の響きとジャカジャカ鳴る楽器の個性も好きなのだが、私の周りはMARTIN派が多い、それもD-28あたり。ヘソ曲がりの真骨頂というべきかそうではない楽器が欲しいのである。

しかしどちらもかなりの高額、とても何十万は年金生活者には手が出ない。さてどうするかだ。