先日、BBCの番組でナンセンの北極探検が取り上げられていた。この探検については、ナンセンの自著「極北(フラム号漂流記)」(中公文庫)に詳しいが、この番組では、当時の映像の他に再現映像もあり、なかなか興味深かった。
 
以前にナンセンのグリーンランド探検については触れているが、その時彼はカヤックの製法や扱い方を学んでいる。(⇒ http://blogs.yahoo.co.jp/zeek2006jp/44393403.html)そして、フラム号を離れて2人で北極を目指すにあたり、犬ぞりとカヤックを使用している。カヤックはフラム号で製作された。「極北」ではこんな風に書かれている。


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夏の終わり頃から一人乗りのカヤックの製作を始めていた。それは竹材をくくり合わせたワクで、これをつくるのに数週間かかったが、軽くて丈夫なものができた。このワクのできあがりの重さは7.3キロで、これに帆布をはり、ボートの全重量は13.6キロになった。完成後、もう一隻のワクをつくってもらうことにして、私は覆いをこしらえる仕事にあたった。これらのカヤックは長さが3.7m、幅は中央で70cm、両端はそれぞれ30cmと37cmとなっていて、普通のエスキモーのカヤックよりもかなり短く幅が広い。だからこのボートは水上を進むのに軽快ではない。しかし、主として氷原中にある海水路を渡ったり、陸路に沿ってゆくのが目的であるから、速度はさほど重要ではない。大切なのはボートが丈夫で軽く、我々と一緒に相当の期間、食料や装備を積んで行けなければならないということだ。もしこれをもっと長く、狭く、重いものにすれば、でこぼこの氷上を運ぶあいだに一層傷つけられやすくなる
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こうして現地でつくった2艇のカヤックは更にスキーを横に渡して連結され、そりも載せてカタマランとなって帆走している。BBCの映像ではカヤックも含めてかなり忠実に再現製作したよう
だ。


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 まず、カヤックの軽いことには驚く。竹を用いたのは素晴らしいアイディアだ。現代のどのカヤックよりも軽いのではないか。また、カタマランにして帆走させるというアイディアは基本的に我々の考えと同じだ。カヤックを帆走させようとすると、最終的にはカタマランに行き着くということだろう。荷物の積載能力も大きくなる。
 
ナンセンという人物には感嘆せざるを得ない。深い学識と同時に現実から学ぶ力、柔軟に応用し適応する力。3年にもわたる想像を絶する北極サバイバルの旅から生還し得たのは偶然ではない。現実から学ぶということは最も難しいことだ。人は皆、自我という色眼鏡を通して物事を見る。現実をありのままに見ることは難しい。ナンセンはグリーンランド探検を通して、一切の偏見を持たず、極地の生活を学んだ。できそうでできないことだ。

なお、フラム号がたどった航路は、最近、北極海航路として注目を集めている。この航路を利用して北欧やロシアから北海道に至る貨物航路が開拓されようとしている。我が石狩新港も有力な港になる。すでに大きな天然ガスタンクが建設されている。天然ガスは今後有力なエネルギー資源となるだろう。石狩新港一帯は徹底的に開発すべき地域だと思う。再生可能エネルギーなどという利権まみれのアヤシいエネルギーに騙されることなかれ!


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