君とは
言葉を交わさなくても

はじめっから気持ち
通じてたような気がする

そんな甘い錯覚をかじりながら
長い時を歩いて来た

転んでは丁寧に汚れをはたき
擦りむいた膝小僧を
そっと撫でた

痛くても苦しくても
視線は落とさない
遠くを見つめて進んでく

こんな生き方
出来るようにしてくれて
ありがとう

こんなやり方
あること教えてくれて
ありがとう

まるで絶え間なく鳴り響く
教会の鐘のように
君への気持ちは溢れるばかり

あの頃の方がよかった
あの声の方が素敵だった

そんなふうに
昔を懐かしむ声が

次第に
現在否定に流れてくるのを
聞かされるのは愉快とは言えない

この大地でさえ年々移動するのに

小さな存在の人間
全く変わらず
同じとこに居つづける方が無理!不自然!

杭に心の核を繋いだら
あとは
より良く変わることを
目指しつづけるのが人間

映像記録というタイムマシンに乗り込んで
スイッチを入れるたび
タイムスリップするのはいいけれど

過去は過去
現状ではないことを
忘れない方がいい

人は自然に変わりもするし
本人がわざわざ望み
変わって行くこともあるのだから

公序良俗に反するでも
法を冒すでもない変革は
個人に与えられた自由
じゃないかと思う

ふと感じたこと・・・
明け方に会った
夢に呼ばれた


陽炎が
立ち上るほどに焼けたアスファルト


一足ずつ辿れば
いつかはきっと
行き着くのに


遥か過ぎてる・・・


先の世で預けた鍵だって
思い出さないままで


未来も不確か過ぎてる・・・


蜃気楼じゃない!
そこに実存する街だから


愛だってまた芽生える・・・


不意に宙から
紅の薔薇を取り出せる
手品師のように


あなたに投げかけてみる・・・