最新シングル「アンビバレント」を一般のお茶の間になりきって評価してみた
こんにちは!実に5か月ぶりの更新です。最新シングルリリースまで欅ニュースがあまりになく、「ガラスを割れ!」の平手ちゃん不在事件もあってか、なんだが筆が進みませんでした。とはいえ、この期間をいただいたことで、今まで細かく深い所しか見られていなかった欅坂との距離感を、再び一般茶の間に戻すことができました。さっそくまいりましょう。平手ちゃん不在の件や例の志田メンバー不祥事もあり、去年末歌番組の怒涛の欅坂ラッシュが嘘だったかのようにテレビパフォーマンスが減少。平手がいないと表に出られない弱点を補うべく、欅坂を離れるファンをけやき坂に引き留める降り先工作が目立った印象。他メンバーのテレビ出演も小出しには増えてたけど、全体的に停滞気味。元気でやんちゃになったけやき坂46はある種没個性にも感じられてあまり面白くもなく、かといって漢字欅の方も記事にするほど飛びぬけて面白いこともなく、しばらくは距離を置いていました。吹き替え音源のガラ割れリハリークを皮切りに、バラエティー・パフォーマンスに平手ちゃんが復活、そして最新シングルリリース。今作は、「一般のお茶の間に視線に立って評価してたい」と決めていたので、あえてファンしか耳にしないようなラジオやメディアをシャットアウトし、一切のヒントも見ないようにしました。なぜこんな事をしたのか?というと、最新の情報を追っていてはどうしてもファン独特の色眼鏡がかかってしまうからです。MVを先に見てからMステを見る従来の順番だと、どうしても親心というか心のどこかで「大丈夫かな?」「あの振り付けの所…」と余計な先入観が邪魔し、心の底から楽しめない事に気が付きました。とはいえ、Twitter活動をしているとどうしても目に入ってくる情報もあります。そこで、以下の条件で「無理のない」情報遮断を行いました。1. ソニーのCMが来たら早送りで曲を飛ばす(つまり衣装やなんとなくの雰囲気はつかめるが、曲調やリズムは全くわからない)2. ニュース媒体でMVリリースや新曲のニュースは絶対に見ない(海外生活なので全く苦なし)3. ライブ初披露のツイートなど目に飛び込んできたものは読むが、曲関係の情報はなるべくスルー4. 表題曲以外のカップリングやけやき坂情報もシャットアウト5. ミュージックステーション初披露まで以上を守るが、表題曲を繰り返し聞くのはこのブログを書き終えたときのみ。つまり1回聞いた印象を大切にし、なるべく正確に曲の世界に飛び込めるようにする。この5つをベースにすることで、Mステ初披露の瞬間まで全く曲を知らない状態で、まさに「洗濯物をたたんでいる主婦がテレビつけたらたまたまやっていた」状態に限りなく近い状態で見ることができました。今回はそんな視点から見たのち、いちファンに戻り書いてみた考察です。箇条書きで浮き上がってきた印象を列挙します。・衣装=以前平手ちゃんが「マリオネットみたい」と書いたことがありますが、小顔も相まってなおさらそう見える。でも今までにない感じの衣装。ガウチョパンツ?と白シャツの組み合わせが爽やか。・曲=なんとなく暗いイメージ、行ったり来たり、ゆらゆらした雰囲気はつかめた。「二律背反」や「及び腰」のような、聞いたことがないが意味がわからないわけではないラインの単語選びが秀逸。難しい本をサラサラ読めているような爽快感に似たものを感じる。・「アンビバレント・アバウト!」が絶妙にダサい。だがそれがいい。・そこから始まり「シーズン・リーズン」等わりとチープなライムでサビまで繋いで、とにかく疾走感に重きをおいた曲調はトレンド感あって若々しい。反対におじさんおばさんには胃もたれしそう。・僕じゃなくて私なんだ。平手ちゃんの曲だね・英語がわからない子は「アンビバレント」の意味がわかるのかな?・振り付け・リップ=シンプルな動きの組み合わせの中に大技やポイントを入れてくるスタイルは今までと同じ。・アクロバットは驚いた。MVでもやってるのかな?・明らかに音源に合わせて踊ってるだけなんだけど、一体感は相変わらず息をのむ。・振り付けも相まって絶妙にダサい歌詞を際立たせてるイメージ。最後間奏から「アンビバレント・アバウト!」の所まで、渡邉理佐だけ目で追っててもわかるまとまった動き独特のダサさ。だけどそれはカッコよさの裏返しの意味のダサさで、視聴者がハマる装置に感心。・全体の印象=エキセントリックと大して第一印象は変わらない、が正直な所。でも一つ面白い発見は、あんなに暗い雰囲気なのに間違いなく夏曲だという点。先輩乃木坂の曲と比べてみて、雰囲気の違いを記すとこうなる。乃木坂のジコチューは炎天下の青空の下、太陽の独特な匂いの中、大きく広がる海を目の前にパラソルから外に踏み出すような、元気すぎないが洗練された、背中を押される明確な夏曲という雰囲気。欅坂「アンビバレント」はどちらかというと冷房の効きすぎた部屋で、炎天下のニュースのラジオを耳にはさみながら寒すぎるゆえ捲った袖を戻して、日の当たらない部屋で勉強や仕事をしている夏、リアルすぎるある日のインドアな夏曲という雰囲気。曲の世界に入ってみたら、シナリオと欅テイストが見えてきましたよ。…………………………………………………………………………………………………………………………………………………夏は海だ!山だ!と旅行や遊びを思い浮かべる人も多い一方で、実際にそれができた人ってあんまりいない。夏休み明けに「みなさん夏休みはどうでしたか?」と聞かれて、「いろんなところに友達と遊びに行ったり、バーベキューしたりしてずっと楽しかった!」と元気に答えてた最後の記憶が小学校時代。しかし中学生、高校生、大学生として年を重ねるにつれ、遊ぶ時間が削られて、部屋にこもって勉強したり、バイトに拘束される時間が増えていく。いろんな所に遊びに行くのに使っていた足も、塾で勉強する頭を動かすため・あるいはバイト先に行って帰るだけの移動手段になっていく。無論つまらないし、何より本来の私たちを押し殺しているのは明らか。でも遊びに行ったら周りに置いて行かれるからできず、学校から解放されても結局何かに手足を縛られる毎日。成長した私たちはそんな事実を覆いかぶせるかのように、聞けば聞くほど矛盾してくる「夏休み」の概念をどこかで聞いた大人の理屈を使って否定して気休めを図る。何が海だ、何が山だ、何が休みだ。結局学生の本分は勉強じゃないか…周りだってバイトしてるし、自分だけ遊ぶとかないでしょ…と現実逃避ならぬ「理想逃避」、夢や理想を現実のつまらない出来事で塗りつぶし、さも夏休みを楽しんでない方が正しいかのようなパラドックスを常習化させるようになっていく。大学に入ってある程度解放されると、遊ぶものを遊ばないものが「パリピ」と揶揄し、日焼けしないほっそりしたのっぺらぼうが増えていく。学校という組織に縛られない我々はこれほどまでに無個性なのかと悲しくなり、青空から目を背けて下を向く。………………………………………………………………………………………………………………………………………………「アンビバレント」はそんな若者、夏をまっとうに楽しめなくなってしまった若者に向けた曲のように感じる。感情に蓋をしすぎたあまり、もはや蓋をするほどの感情もなくなってしまったり、自分はこんな夏を過ごしたよ!と言うのも周りの目が怖くなり、自己表現に自信がなくなった若者に。曲がセゾンのように誰にでも伝わるテンポじゃない、明らかに若者に向けた曲だという理論も裏付けされる。なんで「ラブソングばかり流れるシーズン」を「この夏」と断言したかもはっきりする。Blah Blahが、聞き流して聞こえていない「誰かの夏の体験談」であろうと、「100回聞いた塾と家の往復の夏の愚痴」でも所詮は同じ、Blah Blah以上の何物でもない、くそつまらないやつだろう、どうせ?という私の心の声まで聞こえてくる。でも、今の我々に刺さるのは皮肉にもこっちだ。AKB時代が作り上げた「夏=水着でハジける」神話が無意識のうちに我々の中にこびりつき、乃木坂へとシフトチェンジしどこか洗練された夏曲になっても夏曲の定義は変わらず、我々の中にある先入観を生んだ。欅坂ファンの多くは、こんな一つ大きな思い込みをしたがゆえに初めてこの曲を聴いたときにがっかりしたのではないだろうか?「夏曲は笑顔で歌う元気なものだ」こんなインキャがボソボソしてるような曲歌いやがって…夏曲はそんなんじゃない!とどこか期待外れに感じた人もいるだろうと推測します。ちゃんこ@cha_n_co 欅坂46、最初は大人や何か間違っている社会への反抗みたいなメッセージ性の強いものだったのに、ウケすぎた結果"反抗"というキーワードから逃れられなくなってどんどん対象が小さくなり、最新シングルではただの陰湿なオタクみたいな歌詞で笑ってる2018年07月24日 00:29でも実際はどうだろう?AKBが水辺でポニーテール揺らしながら風の上を走ったり、カチューシャ外しながら長い髪をほどいたりしてる間、我々はどこにいただろうか?あの時の我々、欅のファン層から推測するに10代後半~20代の人は実際に彼女たちに憧れたような夏を楽しんでいたのではないかと思う。今になってもAKB曲が忘れられていないのは、現実と理想がリンクし忘れられない夏の思い出として刻まれている人が多いからともいえる。例えばAKBが流行っていたころに小学生だった子は、「Everyday, カチューシャ」時代は遊べていた。そんな彼ら彼女らは今や高校生、下手したら大学生以上かもしれない。今の彼ら彼女らの夏は、海や山ではなく自習室やバイト先ではないのだろうか?そんな子たちはまさに遊べない不満を現実で正当化し、挙句は自己主張すらできなくなってしまったのっぺらぼうになっているんではないだろうか?そう考えると、「やりたいことをやれ、ジコチューで行こう」と歌う乃木坂が4.2万枚しか売れないのに対し、こちらが70万枚近く売れているのにも説明がつく。こちらの方がはるかに共感しやすく、買いやすいのだ。自分でも驚くぐらい、一回聞いただけなのにすんなりと曲に対して自分の解釈を持つことができました。さあて、これからMVを見て、他のカップリングも聞いてみよう。少しだけ距離を置くだけでこんなに楽しくなるとは…See you!