前回のブログで、脳も勘違いする。という事を記しました。
今回の勘違いは、『痩せて綺麗になったら幸せになる。』というものです。
『コロナ太り』が話題になる機会が増えてきました。
コロナ太りも、新型コロナ負の産物として取り扱われるいますが、人は体重と幸せは比例する事が心理学の世界では証明されています。
ダイエットプログラムに参加した健康的な肥満/過体重の1979人を、『減量に成功したグループ』、『体重維持のグループ』、『体重増加のグループ』に分け、各グループの幸福度を4年間追跡調査した結果、減量に成功したグループは3つのグループの中で最も幸福度が低いという結果となりました。
体重が減ったにも関わらず、気分の落ち込みが最も大きかったそうです。
体重の減少は、心血管代謝リスクの低下など身体的利益との関連はありましたが、心理的利益はありませんでした。*
減量は成功体験として、幸福感は一時的に上昇しますが、長続きはしません。
それは、私たちの幸福感は経験していく度にどんどん薄れていく『快楽順応』によるものです。**
とても欲しかった物が、手に入ると時間と共に輝きを失い、新しいものが欲しくなる。という経験はありませんか?
これが、『快楽順応』です。
厄介な事に『快楽順応』は経験回数と共に幸福感が薄れていくだけでなく、もっと大きな成功体験を求める様になります。
では、幸せになるダイエットはあるのでしょうか?
それは、運動です。***
156人の大うつ病患者156人を3つのグループに分け、6週間被験者の気分を追跡しました。
グループ1: 1日30分の運動を週3日行う
グループ2: Zoloft(抗うつ薬)の投薬
グループ3: 1日30分の運動を週3日行う + Zoloftの投薬
結果は、グループ1の幸福度が最も高く、グループ3、グループ2と続きました。
驚く事に、グループ1の幸福度は10ヶ月間も持続したそうです。
また別の研究では、キッチンカウンターの上の食品と体重増減の関係が分かっています。
キッチンカウンターの上に、クッキーなどの焼き菓子を置いたグループ、ポテトチップスやクラッカーを置いたグループ、シリアルを置いたグループ、コーラなどの炭酸飲料を置いたグループ、生果実(ドライフルーツを除く)を置いたグループ、生野菜を置いたグループの体重の変化を追跡しました。
その結果、
生果実をカウンターに置いたグループは体重が平均6.35kg減少、生野菜を置いたグループでは体重が平均3.18kg減少しました。
一方で、焼き菓子をカウンターに置いたグループでは体重が平均3.95kg、ポテトチップスでは79.75kg、シリアルでは9.37kg、炭酸飲料では11.96kg増加しました。
これらのデータから、
人間の本能は、体重の減少は気分の落ち込みを大きくさせます。
しかし週3回30分の簡単な運動と、キッチンカウンターのお菓子を果物に変更するなどの環境の変化で幸せに痩身してはいかがでしょうか?
出典:
*Jackson Et Al "Psychological Changes following Weight Loss in Overweight and Obese Adults: A Prospective Cohort Study" (2014)
** Ed O'Brien Et Al "The joy of giving lasts longer than the joy of getting" (2018)
*** Babyak Et Al "Exercise Treatment for Major Depression: Maintenance of Therapeutic Benefit at 10 Months" (2000)
**** Wansink Et Al "Slim by Design: Kitchen Counter Correlates of Obesity" (2015)