今回のテーマは、科学的に証明された幸せを感じるお金の使い方です。

 

コロナの経済への影響で、定額給付金が給付されています。

せっかくの給付金なので、有意義なお金の使い方をしたいものです。

 

ポジティブ心理学の世界では、幸せになるお金の使い方の興味深い研究結果があります。

少しでも多くのみなさんがコロナの負と脳の勘違いに屈せず、

給付金をうまく使って幸せになる2つの法則をお伝えできればと思います。

 

1つめの法則は、給付金額に関する不満は、脳が引き起こす勘違い(快楽順応)だと理解することです。

 

以前のブログで、

1. エビングハウス錯視を使って、理解していても脳は勘違いする事

2. 幸福感は経験していく度にどんどん薄れていく『快楽順応』    

を、説明しました。

 

給与額と希望給与額の関係性の研究データ*によると....

現在年収がUS$30,000(約327万円)の人々の希望年収は、US$50,000(約545万円)でした。

現在年収がUS$100,000(約1,090万円)の人々の希望年収は、US$250,000(約2,725万円)でした。

(US$1=¥109で計算)

 

アムステル大学の研究では、実際の収入が1ドル増える毎に『必要収入』が1.40ドル増加する事がわかっています。**

 

この研究結果で明らかにされた事は、私たちは客観的に金額を考える事なく、給与が上昇するにつれ、より多額の昇給が必要だと考えてしまうのです。

これは『快楽順応』が原因だと考えられます。

この『快楽順応』の厄介なところは、私たちの意識は私たちが物事に慣れていく。という事を理解していません。***

 

私たちに備わっているこの快楽順応という厄介な機能で、10万円の給付金額を不足に思ってしまう時があります。

しかしこの不満は、不要な不幸感を招いてしまう原因になってしまいます。

 

もし給付金の金額がもう少し多かったらなぁ....と、考えてしまった時は、

私たちを幸せにする事のない脳の迷惑な機能の仕業だと考え直してみてください。

 

2つめの法則は、お金を『経験』に使う事です。

 

経験自体は手元に残らないため、手元に物が残る買い物の方がより高い幸福感が続くと考えるかもしれません。

しかし、お金を旅行や食事など経験に使う方が、買物よりも幸福感が向上・持続する事が分かりました。****

 

この研究で分かったことは、

 

買い物もしくは経験前に行われた予測幸福度は、

買い物をするグループの方が、経験にお金を使うグループより幸せになると考えていました。

しかし、実際に購入や経験をした2週間後には、経験のグループの方が買い物グループよりも少し多くの幸せを感じていました。

更に購入や経験から4週間後には、経験のグループが買い物のグループよりも、より多くの幸せを感じていました。

 

なんとなく抽象的な気がしますが、私たちも気付かないうちにこの研究結果同様の経験をしています。

例えば、

とっても欲しかったiPhoneも、次第に生活の一部となり、購入時の様なワクワクを感じなくなっていませんか?

一方で初めての海外旅行の思い出は、年月に関わらず当時のワクワク感はありませんか?

 

では、なぜ私たちは時間と共に物への幸せ度が減っていくのでしょうか?

 

これは、私たちの脳は『快楽順応』の機能により、物に対して購入時の幸せは長続きできないからです。

一方で、『快楽順応』には経験に対する適応力がないため、幸せが長続きするのです。

 

また、物に飽きるという経験にも関わらず、私たちは買い物をしたくなるのでしょうか?

 

以前のブログにも記しましたが、私たちの脳は予測を上手くできません。

そのため、買い物をした方が旅行や食事など経験にお金を使うより幸せになると考えてしまいます。

 

経験は手元に残らないため、手元に物が残る買い物の方がより高い幸福感が続くと考えてしまうかもしれません。

実験の結果や経験にも関わらず、やはり買い物を優先したくなります。

 

しかし、それは脳の迷惑な機能による錯覚です。

 

幸福感をより長く感じたいなら、錯覚に惑わされず経験にお金を使ってみてください。

 

 

 

出典:

*

The How of Happiness: A New Approach to Getting the Life You Want (English Edition)

日本語版

幸せがずっと続く12の行動習慣

 

**van Praag and Frijters "The measurement of welfare and well-being: the Leyden approach." (1999)  In Well-Being: The foundation of hedonic psychology. New York: Russel Sage Foundation. Pages 413-433.

 

***

Stumbling on Happiness (P.S.)

日本語版はこちら

明日の幸せを科学する

 

**** Pchelin & Howell  The hidden cost of value-seeking: People do not accurately forecast the economic benefits of experiential purchases. (2014) The Journal of Positive Psychology,9(4), 322-334.