最近は支援ばやりだ。昨年末には派遣切りとかで、支援組織が日比谷公園に派遣村というテント村を開設し、O厚労副大臣が我意を得たりとばかり、厚労省講堂を開放し、テレビに得意満面の笑みを浮かべていたが、これがH氏のプロデュースと分かり赤っ恥をかく結果となった。これほど典型的な似非福祉は見当たらないが、国の予算を差配する政治家にはがっかりする事が多い。出産時に重い障害を持って生まれた場合、今年1月1日より3,000万円の保障金が出る「産科医療保障制度」がスタートした。確かに産科の裁判訴訟は増加の傾向にあるが、後で訴訟に敗れて補償金を払うより先に払っておこうという魂胆のようだが、ちょっと待ってほしい。障害を持って生まれる子は少なくなく、育てる親の負担も生半可でない。経済的負担も大きいが、精神的重荷の負担の方がより大きいと思う。しかし障害を克服して、社会生活を立派に営む例もある。何よりその人間の尊厳を、出生時からお金で奪う法律しか考案できない発想の乏しさを憂う。逆境を克服する芽をお金で摘み取ることが許せない。

老人を毛嫌いする傾向きがある。五倫の一つ、孟子に「長幼の序」がある。もう死語かもしれないが、年少者には年配者を立てねばならない事柄がある。社会生活上、目上の人には敬意を払い、席次を上位に奉り、丁重に弔う。村社会では生きているが、競争社会では目障りに移るのかもしれない。若者もいずれは老いと直面する運命にあるから、一種の保険的な意味合いもあるのかもしれない。いずれにしても、年老えば体力が極端に低下し、若者のような俊敏な行動は望めないが、知力では決して劣らない。そのためにも若い内から多くの経験を積み、知識を蓄えることだ。失敗を恐れてはいけない。失敗は成功の元という。年取ってからの失敗は醜く、取り返しがつかない。出来れば晩節を汚すことなく、敬愛の念で最期を迎えたいものだ。若くして命を落とすと、大抵は哀惜の念で弔われる。未来が洋々として残されているからだ。命は大事にしたいものだ。


格差社会といわれるが、格差はつくのが当然だ。努力する人間と怠慢な人間が同等に扱われると、向上しょうとする意欲が減退する。社会主義国のように計画経済は、平等を主体にしているから良いように思われるが、1990年代からことごとく破綻をきたしている。人間を機械と同じように扱う考えは、成長しないことを前提に捉えており、向上心のある人間にはなじまない。人間にはそれぞれ顔・体格が違うように自分にあったライフスタイルを求める自由がある。スポーツに秀でた人は、その道で自分の技を磨けば良い。芸術に向いていると思えば、歌や絵画、文筆で生計を立てればよい。但し、年齢や身体の障害の有無で社会規範の差を設けるのは反対である。各種免許や資格試験で年齢制限、視力・聴力などの優劣で門前払いをすることは絶対あってはならない。受験の機会は均等でなければならない。若者には精神的にも肉体的にも柔軟性があり、年配者には経験という尊い資産を蓄えている。それぞれの特性を生かさなければ、社会の活性化など有りえない。

歴史は繰り返すといわれるが、人間の一生は約70~80年。その間に同じ事が二度、三度繰り返されることがある。ファッションと同じで、女性のスカートの丈が長くなったり、短くなったりするものだ。その時代の状況で流行は左右される。うまく時流に乗れば成功するが、空気が読みきれないと社会がおかしい、政治が悪いと文句を言う。決して自分の責任を省みない。バブルしかり。震災後の復興しかり。同じ苦境を体験して学習したものを糧に努力を重ねた者は救われる。科学的な根拠は全然無いが、時代の流れを肌で感じ、すばやく対処出来たり見過ごしたりするDNAもあるのではないか。要は、現在起りつつある状況を読み取り、過去の経験と照らし合わせて対処する。的確な判断というものは神のみぞ知るである。すべての人間がうまくいくとは限らない。そこに差が生じる。これが人生の妙ともいえる。但し若い世代はこれに当てはまらないが、早く気づくことだ。


日本人は他人の善意を素直に受けるのも下手である。とくにお年寄りは人の世話にはなりたくない、と言い張る。もともと人間に限らず、地球上の生物は自分ひとりで生きられるはずがない。生まれた時から親の世話になり、地球上の酸素を吸い、食物連鎖により食料を確保し、上下水道、道路、交通機関など誰かの手によって創られたものを利用して生きてきたのである。商売にしても自分ひとりで儲けるのは不可能だ。商品を買いに来るお客あってのものである。最近は商店街がシャッター通り化している。近くに大型スーパーが出来、品揃えも豊富で価格も勝負にならないと店をたたむ商売人が多い。人の世話にならなければ、商売できないのだから上手に他人の世話になればいいのだ。儲かっている店があれば、自分ひとりの力で稼いでいると思い込みがちだが、大きな間違いである、