今年は、なんだか冬が嫌い。
冷たくて乾いた空気や、晴れ渡る青い空は好きなのに悲しい。
去年の冬が余りにも、不安で悲しくて寂しかったから。
男、というのは自分の口からは言わない。
どう思っているのか、どう考えているのか、核心には触れず、
遠まわしに言っては、本意を分かってもらおうとする。
一言で云うと、ずるい。
何で自分から言わないのか。
それは、ただ自分が悪者になりたくないからだ。
別れたいと思っていても、別れたい女にでさえ悪い男と思われたくないからだ。
現実には無言で態度にだって表れているのに、傷つけていると思ってないからだ。
傷つけたくない、だけど自分の気持ちを分かってほしい、でも悪者にはなりたくない。
そんな男の横にいて、心情を察しない女はいないと思う。
去年の冬に、私はそういう状況だった。
こんなに大事に想う男はいない。
でも、その大事な男に振り回され、傷つけられ、その身勝手さを許した。
それは、私にとって初めての経験で生きた心地がしなかった。
男は色んな言い訳を云っていた。
結婚後に、その言い訳を問いただしたこともあったけれど、
どれも嘘に思うし、どれも本当の気持ちだったかもしれない。
けれど、その理由は私を納得させることもなく、安心させるものでもなかった。
それでも私と男の人生は始まったのだから、笑うしかないのだ。
去年、心が凍えそうになる度、私は過去に戻りたかった。
此処じゃない、以前いた場所まで。
私を傷つけることも、傷つける人もいなかった、あの頃に。
そのたびに、もっと寂しさは増して悲しくなるのに。
好きだけでは一緒にはいられない、なんてとうの昔に知っていたのに、
なんで私は、信じてきたんだろう?と。
私の冬は、きっと何度も何度も哀しくなるだろう。
そして、そのたびに泣きたくなるのだろう。
冬を乗り越え、春になれば私は忘れていけると思う。
冷たくて乾いた空気や、晴れ渡った青い空を許せないときもあるのだと知った。

