It's a small world!!(=なんて偶然!!)
こういった現象は、しばし起きる。
それは時々、おかしなつながりで。
大昔、私は初めてパチンコ業界に飛び込んだ。
ギャンブルするなんてきっと不良で、店員は素行の悪い人達の集まりなんだわ、と優等生の私は独断と偏見で思っていた。
でも仕方ない、息子を育てるためにはやっていくしかない、という決心で勤め始めた。
ま、何てことのないところだったんだけど。
私がその仕事に慣れ始めて少し経ったときに、そのオヤジは居た。
常連さんで、40代半ばだろうか。
悪い人でないことは分かるが、しつこく口説いてくる。
それにウンザリしてきたある日、駐車場に居た私に、オヤジはまたもや口説きにきた。
頭にきてたところで、同級生が卒業以来にたまたま通りかかり、声を掛けてくれたのだ。
あー助かった!!
私は早速、その友達に駆け寄り、
『マジ、変なオヤジがしつこくてさぁ~困ってたんだよ!!超、助かった!!
ほら、あそこに居るオヤジ。ご飯に行こうってウルサイんだよ。』
そう云うと、同級生で可愛いと評判の女子は、こう云った。

『お・お父さんッッ!!』

久しぶりの良い天気。
風はだんだんと穏やかになっていった。
仕事で外出すると、桜並木は花びら達をハラハラと躍らせていた。
淡いピンク。優しいピンク。消え入りそうなピンク。
日本は、素晴らしいものが沢山あるんだと、心から思う。
十代の頃には感じれなかったもの、気づかなかったものが、年を重ねるごとに素晴らしく思える。
穏やかな日常がどんなに素敵なことか、解らなかった。
毎日が同じリズムで過ぎていくこと。
時々、TADと喧嘩してしまうこと。
息子が健康に育っていくこと。
大好きな音楽を聴いて、心震える本を読み、考えさせられる映画を観る。
家族と過ごせる時間があるということ。
仕事があり、家があるということ。
私には平凡で普通ということが、何より難しいと思う。
単調であることは、実は何より代え難い。
桜が舞い散り、ピンク色が満ちる中に、今どれだけの人がこの季節を楽しんでいるのだろう?

私がレオ=バスカリアの本に出会ったのは、中学2年の時だった。
『自分らしさを愛せますか』
衝撃的なタイトルに、思わず手にとった。
本書の中で、とても心に響いた大切な言葉がある。

『私は誰もが好きであろう苺である。だけど世の中には、バナナの方か好きという人がいる。
私は、その人のためにバナナになろうと、たくさん努力をするけれど、やっぱり苺にしかなれない。』

そうなんだ。
私は、どう考えてもバナナにはなれない。
そんな事を、きっと私が思うように相手も同じ様に思ってるかもしれないんだ。
もう少しだけ、認めることが出来たなら。
もう少しだけ、相手が立っている処に近づけたなら。
私は、思春期の真っ只かの中で大嫌いな自分を、ほんの少し許そうと思えた。

好かれたくて、認められたくて、完璧でありたくて。
なのに、どれも得られない自分を認めようと。
多感期の私には、この言葉がズーンときた。
だけど、今はそれが忘れがちだったり、何処かにしまいこんでしまう。
それでも時々、誰かが何かを相手に羨んだり、求めたりしていると思い出す。
私は苺で、あなたはバナナなのだから!!