眠り鯛 | ろくじょうのおとしあな

眠り鯛



さっきまでうわーんの中にいて 身体はふるえている 耳はうわーんを感知しつづける
だれかが 泣いている
何か切々と、
私に伝えようとしているそのひと
それはなんのことはない、私の中心からの、
吐き出された色々
面目ないと言っていてかわいそうでやっぱりうわわわーん
せまい四角の中で
私はどんどん排気ガス以下になってゆくみたいよ


そんなとき彼は、うたの中
私がうわーんの間も
正しい 正しく寂しい
うたの中


私は自身が あまり正しくないことを認識しているから
こんなときいつでもごめんなさいの様相
それでも昨日 確信 やっと確信
わからないこと 不安なこと
ひょうめんのことばで安心しようとしなくても
私の内実
そんなもの幻想だとしても内実 のはじめの薄皮いちまい
そんなものをちらりと提示したら
彼はとても とても肯定してくれた
肯定する彼の 名前を呼んだ、
そんな安心をつくれるのは 世界にあなたしかいない 本当に とても本当に



ぐるぐるの 贅肉 役に立たない贅肉 の合間で
ねむりたいけどねむらない
私の耳はうわーんをやめて
ことばがうそっぽい音を持った それも錯覚
真似してできたうたは、だれもしらない


あなたと私がもしもゆめならば、 あの湯船のクリーム色はなんだろう 私はどこで、いつなのだろう