むだい
私は液体になってしまいたい。
思考も感情も哲学も倫理も背徳も真実も虚構もぜんぶぜんぶぜんぶそしてそれは私から発生したものだけではなくあなたの、或いはあなたのあの子の彼女の彼の彼らの、全部から発生した世界のすべて、それだけで世界のすべて、といったような液体。そんなものの中にいたい。願わくば。それはおそらく血液である。真っ赤な体温を持った、そして過去も未来も思想も持った。あなたの血液が私の身体の中に流れて、私は今私だけではない。というような妄想、空想、あなたには虚言癖があるのだね。と眼鏡をかけた男の人は言いすこしため息をつきました。眼鏡の淵は滑らかな銀で私はただひたすらそれを見ることに夢中でしたが、そうしている間にも私の身体にはあなたの血液が回り回り回り私の中になじんでゆくじゃない。私は皮膚を破いて血液を見たいくらいそういえばあなたには久しくお会いしていませんね。