ふるさと呉に「多機能複合防衛拠点」が | 明日通信

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 今月の10日頃だったかな、僕のふるさと・呉の製鉄所跡地など利用し「多機能複合防衛拠点」にする計画が持ち上がっている話が新聞で報じられていた。

 

 防衛のための多機能複合拠点とは、武器なども含め防衛に必要な装備や品物の製造、備蓄・整備補修、補給、訓練など行う基地をつくるということだ。

 

 生れた時は戦時。戦後は空襲による廃墟から軍需工場は造船や製鉄など平和産業へ。しかし生まれた島(当時は呉市とは違う郡の町だった)から呉の街へ出るにはその工業地帯の中を抜け、隣り合わせに巡洋艦や潜水艦を当たり前のように眺めていた。

 

 その風景が帰省するたびに少しずつ変わっていたのは巡洋艦や潜水艦係留ではなく、隆盛を極めていた造船や製鉄業の衰退だった。呉の街も次第に賑やかさを失っている印象に寂しさを感じていた

 

 昨年、帰省しての帰り、呉駅まで兄の車で送ってもらう途中、件の製鉄所の跡地に商業施設やスポーツ施設ができる話があると聞かされた。それが防衛産業の多機能複合拠点に代わると言うことだ。

 

 まだ国の計画段階で決ってはないようだが、かつての戦時や戦後の空襲による工場地帯や港の壊滅をわずかでも記憶する身には思い複雑である。故郷が繁栄し賑わってほしい。港を拠点にモノづくりや海の往来、商業施設の充実による人の活発な往来を期待したいが簡単ではない。

 

 では防衛の複合拠点で復活も、あの頃を思い出すと諸手を挙げて賛成できない。

 ただ僕のふるさとであっても60年余の部外者。決めるのはふるさとの人たち。強い関心をもって成り行きを見させてもらおうと思う。