「江戸前」ってナニ? | 明日通信

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あすへ...

「江戸名所図会I」佃島挿絵の一部使わせてもらいました 

 

 「江戸前のいいトロ食うかい」

 「おう、そりゃあいい、いっちょ握ってくんな」という威勢のいい江戸っ子のむかし話に出くわして、ハテサテとなった。

 

 なにせ、江戸前といったら寿司の代名詞みたいなものだが、厳密に言えば、「江戸前」という言葉、調べると「江戸(城)」の前の海ということ。

 

 「江戸たべもの歳時記」の説明では「芝から品川、せいぜい大井、佃島、大盛、浦安あたりまでの近海」、その近海で獲れる魚はキス、サヨリ、ぎんぽう、アジ、白魚の小魚、そしてカニ、シャコ、アナゴ。それに隅田川の対岸である深川あたりの鰻なんだとか。

 

 とすると、トロは当時、手に入ったのかどうか。遠洋魚だからね。

 ただ、まったくないとは言えず、時には江戸湾を出た海域で揚がることがあり、まさに貴重な寿司ダネだったとも

 

  川柳に

    江戸前売りの江戸という面(ツラ)