さっき、二階の書斎と隣り合わせの部屋からベランダ越しに外を見ていたのだが、ホント、まったくといっていいほど、人の歩く姿が見えない。
前の公園の川に沿った道。川向こうの遊歩道。春になると桜並木が茂るため道は隙間しか見えなくなるが、いまは裸木の行列。道は丸見えだし、音もいつもよりよく聞こえる。
「人がいない」、休日の朝となれば散歩やウォーキングの人、ランニングする人、公園を抜けてショッピングセンターへ買い物に出かける人や自転車が田舎ながら絶えず目に入るのだが、5分、まったく通らない、見えない。右方の立木の向こうに垣間見える堤道を時折り車が走り抜けるのが見えるだけ。意地になって10分、川向こうの遊歩道をお年寄りの女性が傘を差しゆるりゆるり歩いていった。そのあとまた……。
雨も傘をさすほどでもない。なのに人がいない。自粛で外出を控えているんだよね。そういえばこんないなかまちなのに感染者が急増している。感染の波が大阪の繁華なまちからざわざわ押し寄せてきてるんだろう。それをこのまちの人たちは自覚し始めたんだろうか。
そうやね、もう少し、もう少し、お互い我慢しましましょう、思いっきり背伸びする日を待ちましょう。