もう4日前の話になるが、注目されていた戦後70年の「安倍談話」について「こころがこもっていない」とか「他人事のような言い方」など間接的な表現に終始し、「納得できない」と言った批判的なコメントが国内外から出ているが、僕はそれなりの評価を与えていいのではと思っている。
なにせ安倍さんの本心は違う。
先の大戦で日本がアジアで果たした役割は「欧米の植民地支配からの解放」部分が多くあり、「侵略」という中国や韓国などの評価に対し「侵略の定義はまだはっきりしていない」そんな中で「いつまでお詫びや反省なのか」、「日本が戦争で負けたから一方的な裁判で悪者にされ、憲法をはじめ法律も社会制度や秩序も多くが押し付けられたもの」。「本当の日本を取り戻すためにヤルタ・ポッダムで勝手に作られた戦後レジームから脱却をはからなければならない」という右派的な考えを持っている安倍さんからすれば村山さんや小泉さんが「侵略」を認め、「戦場にしたアジアの国々に対しこころからお詫びと反省の意を表明」なんて承服できない。
しかし参考意見として話し合ってもらった有識者会議の話の方向、国内の「中韓と角を突き合わせたままの、安倍政治に対する懸念や人気の急落」、それに何より頼りとする米国の意向や期待を考えると一歩二歩引かざるを得ない。
だったら安倍さんの個人ではなく日本国の時の首相として「村山さん、小泉さんと変わりません」ということにしたけれど、本意ではないだけにこころをどこかに置いて談話をまとめたのだろう。
よくぞこころを押さえ、関係修復へ歩を進めてくれたと思う。
ただこの「お詫びと反省」の引いた立場を関係のない子や孫や、その後の世代の人たちに背負わせてはならないと強調している。途端に、「本心が違うぞ」という気持ちを表現していると勘ぐり、談話をけなしているが、ここは素直にとってあげたい。子や孫や後の世代まで「謝れ」「すみません」はさせたくない。またそうしなければならないし、そのためには思い切った結論と行動を示してもらいたいなと・・・。
この問題で、表に引っ張り出し、細かく動きや流れ(使途)、そして誰が、どんな組織や会社が絡んだのかを明らかにしてほしいなと思うのが巨額の戦後賠償や借款のカネだ。韓国の「辱めを受けた」慰安婦の方たちにどれだけ、お詫びの気持ちの一つとして手渡されたのか知りたいなと思う。