緒方さん、采配にこだわりを… | 明日通信

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 カープ、今季17戦で6度の延長戦負け、勝ち数6つ。打てない、点が取れないに尽きる。下馬評では投手陣は黒田の復帰で先発陣が充実、打線も昨年ホームラン王のエルドレッドを軸に前後を走攻守揃った選手で切れ目ない打線が組まれ、隠れ優勝候補に上げられていたが、ふたを開けて見るとオープン戦のまま、点が取れず負けが続いて最下位。

 ホームラン数は菊池2本、丸1本の合わせ3本で12球団最下位。これでは「勝てない。打線が調子を取り戻すまで仕方がない」とでも緒方さんをはじめコーチも選手も考えているのだろうか。

 ところがちょっと待って、チーム打率はカープの2割3分5厘に対し阪神2割3分2厘、巨人2割3分3厘である。先の対阪神戦、鳥谷がホームランで決めた。カープには今、それがないなんて言い訳。巨人は3位まで勝ち上がっていった。 カープは、いや采配の全権を持つ監督が勝つためにもっと厳しくこだわった戦い方、手を打たなければならないと思う。

 昨日の中日と延長戦の負けは、5回裏の攻撃で決まっていたといっていい。スコアは0対1で追いかける展開。

 田中が2塁打(ノーアウト)、次打者梵、打つなら右に打って悪くても田中を3塁に進めるのがセオリー。打線が活発な時なら自由に打たせることもあるが、梵は初球から引っ張る打ち方。結局はショートゴロで田中2塁に釘づけ。次いで野間、当たってはいるが走者が3塁にいるのと2塁では打者だけでなく守る中日も守備が変わって来るし投手の投げる球も違ってくる。が、浅いレフトフライで2アウト。次は会沢拾い物のヒットで出塁。次黒田。

 黒田のバッティングに期待する? 投げて抑えてもらい打って点を取ってもらう「おんぶに抱っこ」それはないだろう。

 監督は会社でいうなら社長、何か手を打つときは3手、4手、あるいはもっと先の展開や狙いを計算し、決断、突破を図る。5番田中がノーアウトで出塁、それも2塁だから8番会沢までで悪くても同点にし黒田を楽にさせることを考えなければ。ということは一にも二にも梵、緒方さんは指示を出したのか。ベテランに一年生監督は遠慮して任せたのだろうか。勝負を任されたトップにとって一年、10年のキャリアも関係ない。梵が指示に従わず失敗したのなら2軍行きを命じるくらい厳しく、自分なりに描く勝負に徹しなければだめだ。

 会社が資金も人材も揃い利益が転がり込む時であればだれに任せてもできる。カネもヒトもいない、そんな中で利益を上げる、野球なら打てない守れない、そんな時、勝つというより戦い方にしつこくて、ち密で、隙あらばの凄味をみせなければ。

 動じない基本姿勢はいいが、時には顔をまっかにして修羅になることも必要だ。