ギリシャ、どうなるのかな | 明日通信

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■一番、気になるニュース。日本人の人質事件。伝えられている話が本当ならイスラム過激派組織による一人殺害は許せないが、もう一人の人を無事解放してほしい。ただそれを願って今は黙しておこう。


■もう一つ、ギリシャの総選挙で反緊縮を掲げた急進左翼進歩連合が149議席で大勝、過半数に少し足りない分を、同じ反緊縮の「独立ギリシャ人」党と連立を組み政権を奪取、若干40歳の党首チプラスさんが首相に就任した。

 EUの小国だけど、大赤字の自国にとってだけでなく、EUも、日本やアメリカや・・・世界にとっても心配種だ。要は国家財政が大赤字でデフォルト、国が借金を返せず破綻しそうな状況が長く続いており、EUは加盟国だからほっとけず「緊縮財政による国家経営」を条件にカネを融通してきたが、ギリシャの国民はそれに耐えられず総選挙を通じて反緊縮の選択をしたわけだ。

 だけど、仮に親戚に、大きな借財を抱えた一家があり、縁者が寄って当面のカネを融通し続けているのに呑気に節約せず、またカネ貸してと言ってきたら、イイ顔してまたカネを貸すだろうか。まず貸さないだろう。ただこのままほっといて破綻したらこれまで貸したカネは返ってこないし、のちのち自分たちの生活を脅かされない。仕方がない、貸すけれど「このカネはみんなが苦労して稼ぎ貯めたカネだから、貸すカネは自分たちの生活を切り詰め、耐え忍んで必要なものだけに使いなさい」と条件を付けるのではないか。

 新しい政権はそれをやらないというのだから心配。なにせオリーブや綿、葉タバコ、鉱物資源などの輸出できる品物があり、海運業も盛ん、それに何といっても古代遺跡を中心とした観光資源が豊富で、世界からの観光客は今年1300万余を達成した日本の比ではない。

 人口はおよそ日本の十分の一。それがデフォルトの懸念。こうなったのは陽気で呑気な国民性といわれているが、実態は税金で生活する公務員や年金生活者が多いことと、「オナシス家で知られるようないくつかの旧家で経済の実権を握り、貧富の差が大きい」こと、「世界に名だたる海運企業がタックスヘブンの国に会社を移し税逃れをしている」ことがあるそうだ。

 だからしっかり政治や経済や社会の構造改革をしていけば立ち直れる。内容的には日本のほうが厳しいともいわれている。

 それはともかく、反緊縮の政権が現実とどれだけ妥協しながら国家運営するか、まわりの国々といい関係を築くかにかかっている。あくまで、その名が示す急進的な国家経営でまわりにそっぽを向かれると立ち行かなくなっり、ヨーロッパだけでなく世界の経済に影響してくる。日本も傍観者でおれなくなってくる。