この夏、竹筒の越冬パイプを進化させ、越冬木箱を考案しました。
これに入った新母蜂たちを、春の目覚め前に畑の真ん中に置けば、畑周辺で営巣を始めてくれます。散らさないで畑の蜂密度を高めることができるのです。
竹筒でも充分役目を果たしてくれるのですが、中が見えないので、どれだけ入っているか確認できませんでした。
さっそく木工師の友人に挽いてもらい、きれいな箱が完成しました。前後の穴から入るとまず風除室、その奥により暖かな休眠部屋があるしくみです。
ただ今年は、スズメバチに襲われたわけでもないのに、越冬以前に巣離れする群れが多く、健康群の大きな家族はわずかでした。もしかしたら秋の直射日光が暑くてたまらず逃げ出したのかもしれません。こんな年は始めてです。9月末に、大きな家族ではないですがフタモンアシナガバチ5群、セグロアシナガバチ1群、コアシナガバチ1群の屋根裏と巣箱内部に入れておきました。このあたりは10月中頃に越冬のため巣離れします。
内部天井部分に、あとで安全に確認できるよう、セロハンを切って糊付けしておきました。
そして12月。本業が忙しくてそのままになっていましたが、雪が降る前に巣箱を片付けながら、おそるおそる開けてみました!
すると…
ただ…
フタモンは5群中3群が入っていましたが、蜂数がどれも11匹、6匹、1匹と少なく。セグロとコアシナガは残念ながら1匹も入っていませんでした。これでは以前の竹筒のほうが成績がいいように思えます。中にはゲジゲジや小さなカメムシが居座っているものもありました。
きっと神経質なコアシナガバチも、大型種で利口なセグロも警戒してしまったのかもしれません。
なにより、入り口が無機質で気付きづらく魅力的でなかったのではと思いました。屋根裏で越冬箱の中ではなく脇に固まっているフタモンの群れもいました。
そこで考えました。
来年は両端の入り口の板を取り除いて、風除室を失くし、大きな凹みの閉所空間を作り、その奥に一つ穴がある状態にしてみます。安心感のある凹みを作って誘いたいと思っています。
元々、寒さにはとても強いのです。覆いもない移設巣箱の片隅に固まって休眠していた群れも−10度の冬を経て春に目覚めました。閉所に入り込むのは寒さ対策よりも外的に食べられないことが目的に思えます。二重構造にしなくてもきっと大丈夫でしょう。
というわけで、成功とは言いがたい結果となりましたが、来年がまた楽しみになりました。