日本刀の目釘穴の穴が大きい場合、柄側はどの位置に穴を開ければ良いのでしょうか?

 

 

正解は「茎尻側に開ける」となります。

 

画像の橙色の部分に目釘が入るようにします。

 

 

 

なぜ茎尻側に目釘が入るようにする必要があるのでしょうか?

 

 

これを反対側に開けてしまうと、目釘穴の隙間分、刀身が抜けてしまいますよね。

 

だから目釘は茎尻側に入れて、刀身が引っ張られるようにするんですね。

 

 

 

 

当然と言えば、当然の話なのですが、結構な頻度で出来ていない工作を見かける事があります。

 

 

 

 

 

例えば、本業が仏壇工房や、建具屋さんで、副業で柄下地や白鞘を作っているような工房に依頼した場合は、こういった点が意識されない事が多いようです。

 

 

 

自分で鞘師や柄職人にお願いする場合は、コンクール入選歴等を見て、どの程度の技量があるか調べてからお願いする事ができます。

 

 

 

しかし、刀剣店にお願いした場合、どのような職人に出すかは客には分かりません。

 

 

刀剣店のビジネスモデルは、職人に払うお金を圧縮すればするほど刀剣店に利益が出る構造なので、この手の工房に依頼してコスト削減しているのは良く聞く話です。

※そもそも鞘や柄の職人が減っているので、専業の職人がなかなか見つからない。

 

 

 

当然、そういった副業職人でも居合が趣味で刀を使う事には人一倍こだわりがある人もいるので一概に悪いとは言えませんが、自分で直接依頼する訳では無いので、どんな職人を使っているかは分かりませんよね。

 

 

そう考えると、もし外装を依頼する場合、直接職人を探すか、自社で職人を抱えている濃州堂さんのようなお店にお願いするのが良いかも知れません。

 

 

 

 

尚、当店は手持ちの合わせが使えない時は、岐阜の濃州堂さんに外装の作業依頼をしています。

 

納期も、品質も安定していて安心なので、個人的にはおススメできます。

※お客さんから外装の工作の問い合わせを受けた場合は濃州堂さんを紹介しています。

 

 

他にも拵え職人との取引もありますが、その方は木工職人の副業です。

 

しかし、若い頃には居合道場も運営していた方なので、副業職人でも武用観点ではしっかりした拵えを作って頂けます。

 

 

 

 

 

さて、ご存じの通り、当店は基本的に「合わせ」を使用しています。

 

 

 

 

合わせには否定的な意見も多いですが、工業製品なので品質も安定していて強度もしっかりしています。

 

まさに工業製品ならではのメリットです。

 

※尚、当店の場合は、仕入れ時点でフィットする寸法の刀を選んでいるので、後から無理やり合わせる事はありません。

 

 

 

 

 

しかし、やはり目が肥えてくると安っぽく見えます。

(いや、実際に、安っぽいのではなく安いんですが・・・)

 

 

そのうち、高級外装を作りたくなるかもしれませんが、その場合はこの辺を意識してもらうと良いかも知れません。