TVを賑わせている純金茶碗の盗難事件
買取店に持ち込んで買い叩かれ、結局買い取った店が別の買取店に転売していたようです。
しかし、買取はこんな感じです
①買取店は180万円で買い取り
↓
②他の買取店に4xx万円で買い取り
①の段階で相当足元見られていますね。
これは、200万円超えるとマネロン絡みで各所に届け出が必用とか色々あるので、足元を見て180万円とした等の説がありますが、真偽は定かではありません。
ただ、買取店は、捨て値でもいいから処分したい一般客に対して、どれだけ買い叩くかが利益の出しどころなので、色々な理屈をつけて頑張って買い叩きます。
「金の比率が分からないので○○円です。他だともっと安いですよ~」
みたいに言って買い叩くんですね。
「他だともっと安いですよ~」「他を回ってからでもいいですよ~」
と一言添えるのが買い叩きのコツですね。
お客さんは何軒も回るのは面倒なので、そう言われると「どこでも同じだろうな」と算段して、その場で買取をお願いしてしまいます。
また、後になって「買い叩かれた」とクレーム入れられても
「他を回ってからでもいいって言いましたよね」
と自己防衛ができます。
じゃあ、他の店を何店舗か回れば良いかと言うと、そうでもありません。
街にある他の大手買取店のフランチャイズを回っても似たような買取価格しか出ないのですから。
①買取店は180万円で買い取り
↓
②他の買取店に4xx万円で買い取り
の部分にヒントがあります。
雨後の筍のように各地に現れた買取店
実は、素人が本部にフランチャイズ料を支払って店舗運営をしているだけなんですね。
だから、モノを買い取っても、自分で一般ユーザーに販売する商流を持っていません。
それどころか、素人がフランチャイズ料を支払って開店しただけなので、真贋鑑定の知識や、小売販売価格の相場すら知らない人が多いのです。
しかも、業者市場への売却は本部経由で行うので、業者市場へのアクセスが出来ない店が大半です。
そういう買取店は買取品をどう処分するのか
① フランチャイズ本部が買取
② 専門の古物業者に売却
③ ヤフオク出品
このどれかしか選択肢はありません。
中には、既に古物商として成功している会社が、大手買取店の看板を使うためにフランチャイズ化している場合もあります。
その場合は自己販路があるのですが、多くはそうではありません。
今回の金茶碗の場合は② 専門の古物業者に売却を選択したのでしょう。
多分、貴金属という特性上、宝飾品の取り扱いの多い上野の専門業者が一番高値なので、そこに持っていくのが常態化しているのだと思います。
これ、僕が扱っている日本刀という商材も同様ですね。
日本刀の業者市は参加に同業からの紹介が必用だったりします。
だから参入ハードルが高いんですね。
そのため、買取店は二束三文で買い叩き、自身は
① フランチャイズ本部が買取
③ ヤフオク出品
のどちらかを選択する事となります。
ただ、日本刀の真贋判定や状態確認は専門性が必用なので、フランチャイズ本部もリスクが取れないので買取価格は安いです。
それなら、③ ヤフオク出品して少しでも高く売った方が良いですよね。
だからヤフオクで販売する買取業者も増えてきます。
こういった専門外の業者の販路でネットオークションが活用されるようになると、専門業者の取引価格に左右されないネットオークションの相場が構成されるようになります。
結果、同じ商品だとしても3つの相場が成立します。
① 店舗の販売する小売流通相場(要は店頭価格)
② 専業者の集まる業者市相場
③ ヤフオク相場
①と②は相関性がありますが、③は因果関係こそあれ相関は弱いです。
③は一般人も参加できる市場なので、①からしたら驚異的な価格なんですね。
しかもマネタイズのモデルが違うので②の業者市場から商材を仕入れて、①で店舗販売する業態は③のヤフオクに対して価格で太刀打ちできない。
ある事、ない事をネガティブに流し③の市場を貶める以外には対抗手段がないのです。
これ、似たような事が90年代の絵画市場でも発生したそうです。
当時はネットオークションではなく一般参加可能なオークションでした。
結局、絵画は市場形成の主役が画廊ではなく一般参加可能なオークションに移ってしまいました。
なんか話がそれてしまいましたが、不用品を売却する時は買取店の口車に乗せられないように気を付けましょうという話でした。
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