風と熊と笹と10月24日 奥越 / 保月山から経ケ岳へ 曇 青空は束の間で、すぐに雲が空を覆い、不気味な風さえ立ってきた。しかしそれよりも問題は、地面に残されている真新しい熊の爪痕だった。登山道は密な笹薮を切り開いて付けられているため、遭遇してもお互い避けようがない。風に騒ぐ笹の音に負けないくらい大声で見えぬ相手を牽制しながら歩を進めた。見わたす斜面の色づきは素晴らしかった。..