昭和38年の作品です。「神と野獣の日」と「落差」の2つで、どちらも内容をしらずに選択しました。


「神と野獣の日」の書き出しは、広告代理店の社員が広告の打ち合わせに製薬会社に向かい、日比谷交差点手前で渋滞に巻き込まれ、約束の時間を気にしている場面だ。この時代の新聞広告はアリナミン、チオクタン、フロンさんなど薬の広告が目立っていたことを思い出す。映画でも小説でもその時代の世相をそれとなく描いていることに私は関心を持っていたことがある。
内容は成長としては珍しいSF的なもので、南太平洋のZ島から水爆を搭載した弾道弾が誤発射され東京に向

かっているとコメ大統領から官邸の総理に緊急電話がはいる。

標的の東京に着弾は70分後とのこと。それまでの日本政府の混乱ぶりや国民の死をまえにした行動がSFとして描かれ、大いに考えさせられた。

 

予定どおり東京に着弾した。なにも起きなかった。不発弾だった。それを知って人は悲しみから一転歓喜に変わる。

 

小説は続く。南の空に黒い塊が東京に向かって来た誰も気が付いていない。。そこで小説は終わる。

 

ぞっとさせられる終わり方だ。

 

小松左京の「日本沈没」を読みたくなった。

 

「落差」は次にまわします。

 

写真 今日のNHK「山カフェ」の山からお早うは上高地の明神池にある「嘉門次ジ小屋」からだった。今日は山開きの神事があるそうだ。そういえば今日からゴールデンウイークが始まるのだ。和次回ころは私もどこかの山に入っていたなあ。写真は上高地から少し北に歩いた梓川からの穂高のつり尾根です。生憎明神池のつり橋の写真がみつからなかったので、これにしました。ごめんなさい。昭和29年1954年の写真です。