「ぜんぶぜんぶうけとめたいと桃かじる」
夏の今咲くバラは
茎も太くグラスに一本挿しても
しっかり上を向いてくれます。
でもまだ初夏のこの時期は、
互いに支えあっていました。
それは毎年かわらず。
５月１９日（金）。
だんな君がこの日からまた出張へ。
そういう朝でした。
体力勝負の忙しい夏の朝。
長芋でお米を食べてもらって
送り出すつもりだったのだけど、
仕事先の方からいただいてきた
とても美味しいそうなパンがあったので
予定変更。
長芋は、
オクラとめかぶと
『トロトロトリオ』で
ご飯にかけるはずだったのですけどね。
パンは
「onkä」（オンカ）さんのもの。
「北欧の雰囲気が漂うような店名と
ラッピング・・・。」
そう思って調べてみた店舗のデザインも
とてもおしゃれで、
「やっぱり！」。
でもね、実は店名の意味はア
イヌ語だそうです。
「onkä」（オンカ）
＝ 『 発酵する 』
シンプルないい名前！！
『トロトロトリオ』は
器に入れるまでは大方予定通り。
でもパンに合わせて味付けは
塩レモンとクミンパウダー。
スープのようにしてみても
よかったけれど・・・、
冷たくてもいい日。楽しましょう。
「合いそう！」と試したこの味付け、
この組み合わせ。
初夏のこの日には間違いなかったです。
お醤油をちょっと垂らす・・・とか、
もうひとひねりして
ご飯にかけて食べても
きっと美味しいだろうな。
（甘い系は２つとも「あん」と
クリームチーズの組み合わせ。
パンは素朴に仕上げたコッペパンの
ような感じで美味しかった。）
丁寧に作られただろうに
「パズルのピースのような
ささやかなしあわせ・・・・」
なんて、なんて謙虚なんだろう。
たしかに毎日食べても
きっと飽きのこない生地です。
「どうぞこの身をささげます。」という
粉と水と塩のまっすぐな声が
きこえてきそうな味でした。
中身のあんこも独り立ちできる
まっすぐな味なのに
決して舌が焼けるような甘さではなくて
こちらもパンを謙虚に支えていて
とても美味しい。
日曜日は楽しみにしていた映画を
観に行きました。
メゾンエルメス ル・ステュディオ
オブジェに宿るもの ２０１７年６月
この身ひとつで
『ポー川のひかり』
そしてその前には
CHANEL NEXUS HALL で
『 東京墓情荒木経惟×
ギメ東洋美術館 』も。
そうやって楽しくすごしてしまった
翌日（今日）からのウィークデイは、
あいかわらず両手いっぱいの仕事を
かかえています。
そしてどうにも逃げ出したい
気持ちもあって、
こうしてここにいるんですよ。
今の時点で植物の植え替え待ちが
１、２、３、・・・・・・・・
去年見ないふりをしてしまったものが
たくさんだから
今年はいいかげんね、
たんたんと
すすめるほかにありませんね。
「ぜんぶぜんぶうけとめたいと・・・」
こんな状況になったのならば
もう私に起きることは
とことん受け止めて、
その中で自分ができることを
もっと深くしていこう。
これはそんな決意表明のつもりで
ずっと昔に。
けれどせめて
出かけた場所、観たもの、見た物。
咀嚼してほおばって飲み干したものを
ぜんぶぜんぶ書き残しておきたい。
（気持ちの上ではですけどね・・・
なかなかできていませんね。）
そうだ。
日々増え続ける仕事のめどがついたら
（旬がおわるギリギリ前に）
ごほうびに桃を買い、
そのしたたる果汁で口のまわりを
ベタベタにしながらも
その雫一滴の無駄もないように
飲み干そう。
でも、旬っていつまで？
私が一番美味しく食べられる時が
旬なのかな・・・？？？
四季バラと呼ばれているけれど、
バラの旬の方は少し過ぎたと
言えるでしょう。
それでも今は、
太い茎で自立できてかっこいいのが
たまにぽつりぽつりと咲いています。
今週は蒸し暑い日々が続きそうで、
桃のような甘い香りを立てながら
梅の追熟がゆっくりすすんでいます。