■政権交代が現実のものとなり、新政権もドタバタや騒動はあるものの、次々と新しい方針や見直しが打ち出され、国民の関心も高く順調に滑り出しているようです。この結果、地方の政治と行政も様変わりしそうで、新政権との間合いや距離の取り方をはかりかねているのが現状です。
■これまで中央集権で過度の依存体質、国の指示待ちであった地方は、いよいよ自前で政策を進める必要に迫られています。ちょうどいま話題の「八ツ場(やんば)ダム」についておやっと思ったことを紹介します。「ダム建設は国の方針に従ったもので、いまさら中止は納得できない」という言い分です。
■いくら他都県にまたがる事業、国の事業とはいえ、国の言い分を鵜呑みにして市民を説得しそれを進めた地方住民を代弁すべく当事者意識の欠如はどうでしょうか。最近会ったある県幹部は「政権が代わって国へ行くことがなくなった。陳情する相手もいない、ルートもない」と話していました。
■中央とのパイプ、人脈、中央直結などがひとつの売りとして選挙が戦われますがこれがどうであったか・・・。これからは市民自らが考え実践する“地域主権”の時代に変わることになります。政権が代わったいまこそ、市民も政治家も職員も発想を一八〇度変える必要に迫られています。