その後も私は残りの任期中、
Bくんとの密会を支援するために、
何度か
Iちゃんと同じ植物園に行った。
Iちゃんの家族には、私は
相当な植物園好きの日本人だと
思われていただろう。
しかし、私の任期が終われば、
また、彼らは電話とメールだけに
なってしまう。
自分のことのようで胸が痛んだ。
実のところ、正直私はタミル人と
シンハラ人の2人の
恋は実らないと思っていた。
それぐらい、スリランカ社会における
2つの民族の関係はよくなかった。
帰国後も、私とIちゃんは時折、
メールでやり取りしていたが、
私からB君のことをIちゃんに
たずねることはなかったし、
Iちゃんからも、その後、Bくんと
どうなったかをメールで
知らせてくることは
なかった。