夫や夫の家族の運命を大いに変えたのは、
夫の父方の祖父であるバブラルおじいちゃんの
存在だろう。
バブラルおじいちゃんはカトマンズから
北西に40km程度離れたヌワコット郡の
村で生まれた。おじいちゃんは生まれた
村で両親や兄弟、お父さんの兄弟家族と
農業をして暮らしていた。
しかし、おじいちゃんが8歳の時に、
おじいちゃんのお父さんが
亡くなってしまった。
ヒンズー社会では女性や子どもの地位が低いため、
一家の大黒柱である父親の死は、おじいちゃん
家族にとって致命的なことだった。
バブラルおじいちゃん一家の土地や財産はすべて、
おじいちゃんの亡くなったお父さんの一番兄に
奪われてしまう。
長男である8歳のバブラルおじいちゃん一家の
苦難はここから始まる。