東京大学スポーツ先端科学連携研究機構シンポジウム | 芦田天文子〜千葉の健康運動指導士のブログ

芦田天文子〜千葉の健康運動指導士のブログ

千葉の健康運動指導士
芦田天文子のブログ

東京大学スポーツ先端科学連携研究機構×東京大学高齢社会総合研究機構シンポジウム
「超高齢社会を支える産業創出に向けた産学連携の推進」をオンライン聴講しました。
 

講師の方はこんな感じ、東大の先生による研究の紹介や、民間企業から取り組みの紹介などがありました。

先日、マーケィングのセミナーで講師をお願いした小宮克巳さんがパネリストで登壇されるとのことで、興味を持ち、聴講登録をしました。(最後にコンソーシアム主催の東大スポーツ先端科学研究機構のリンクが貼ってあります)

 

 

 

大変刺激的だったのが住友生命保険相互会社Vitality戦略部部長の事例紹介。

 

 

健康増進型保険『Vitality』が健康長寿社会にどのように寄与しているか、という内容です。

 

 

超高齢社会を迎え、保険業も経営環境の変化を余儀なくされています。

人口の減少や、保険料の払い込みをする責任生活層の減少、自身が死亡した際の家族の為に残すことを考えなくても良い単身世帯の増加などから、契約される保険商品が変化してきているそうです。

 

 

Vitalityという保険商品では、加入時の健康状態で保険料を決定した後、健康増進に資する日々の活動の積み上げを評価し、それを保険料変動やリワードで還元するそうです。

例えば血圧の変化や予防健診の受診、ジムや活動計と連動して健康増進活動をした人にポイントを付与します。

健康増進活動は日常生活の中の多岐にわたる項目が設定されていて、運動が苦手な方でも取り組めます。

高齢者独自の還元率も設定されていて、どんな人でも頑張った分はきちんと保険料の割引や商品の割引(スタバやイオンなど)が受けられてモチベーションが上がるようになっています。

 

 

これの素晴らしいところは、行動変容を容易に促せる点だと思いました。

健康行動というのは「わかっているけれど取り組めない事」です。

例えば、禁煙、運動、食生活、適度な飲酒など。

これが高いインセンティブにつながるとなれば、モチベーションも上がるでしょう。

しかも、運動が苦手な人でも他の分野でポイントを稼ぐことができます。

このように同社では社会貢献を目的として、行動心理学を利用して制度を設計しています。

以前、『アフターデジタル』で驚いた中国の平安生命の事例と同じですが、人間の心理を上手に利用して制度が組み立てられているんですね。

 

 

われわれ運動指導者はその視点が欠けていると、つくづく思います。

運動の場に来る方は、特別運動好きの方が多く、本来運動して欲しいような方は運動の場に来ません。

運動の場になぜ来て欲しいのかと言うと、健康になって欲しいからなのですが、健康になる為にはそもそも、どうしても「ちゃんとした形の運動」をしてもらわなきゃいけないと言うわけじゃありません。

 

 

それなのに、「こういう運動がいいんじゃないのか」「こうすればもっと運動に来やすいのではないか」とか運動ありきの形でしか考えられないのです。

 

 

フィットネスクラブが異業種からの参入企業にヘルスケアの分野で遅れを取っているのは、運動が得意な人が考えた健康増進にまつわるコンテンツだからなんでしょうかね。

毎度こういうお話を聞くたびに、とても悔しい思いをします。

大企業ならではのスケール感もそうですし、その発想の柔軟さにはとても敵わないと感じます。

自分ができることを自分の手の届く範囲でやっていくしかないんですけどね…。

そんな刺激を受けてまいりました。

 

 

他の取り組みも大変興味深かったのですが、書ききれません…

高齢社会総合研究事業の飯島先生の「柏スタディ」とか、株式会社グランドレベルの「喫茶ランドリー」とか。

 

 

 

 

 

東京大学スポーツ科学先端科学連携研究機構のシンポジウムは毎回ものすごーく面白くて、ヘルステックの最先端から地域包括の卑近な例まで、本当にオススメです。無料で聴けるんですよ。

 

 

 

以前聴講したのは立命館大学との合同シンポジウム、ここで稲見先生を知りその後先生の参加される講義をいくつか聴講しました。

『withコロナ/postコロナ時代における健康基盤としてのスポーツ』立命館大学スポーツ健康科学研究センター×東京大学スポーツ先端科学研究拠点合同シンポジウム「withコロナ/postコロナ時代における健康基盤としてのスポーツ/…リンクameblo.jp

稲見先生はやばいです(←語彙)

 

 

 

ご興味のある方は次回に是非!