みなさん、こんにちは。
今日は下野模試で偏差値60くらいの生徒さんが
自称進に進学する一例を紹介してみます。
これは完全なフィクションではありますが
よくある話過ぎて、「これ、俺じゃね?」とか
「これ、わたし???」って思う子が続出するレベルの話になってしまうと思いますが
断じて特定のモデルはいませんので、敵意帰属バイアスに駆られて、変に勘繰らないでください笑
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下野模試で偏差値60を取ると、たとえば足利高校あたりでは、比較的上位になります。
そうすると「おれ、足高余裕だな」(ドヤ!) となってしまう層も出てきます。
たとえば、私の塾であれば、偏差値60を越えて足利高校を志望する場合
冬期講習では、英単語をやるにしても、高校内容を含めて やりますし
古文の勉強をするにしても、高校入試用のワークで古文を勉強したりはしません。
古文単語は大学入試向け を扱いますし、古典文法の助動詞 も扱います。
高校入試終了後の3月末、4月頭には英検2級 に挑戦するようにお話もしています。
6月には東進の全国統一高校生テストも実施されるので、それを受験させてもらうようにお話もしています。
全統高では、高1であっても、高3と同じリスニングテストを受ける事になります。
高2の6月には数学が全範囲出題されるようになります。
自称進学校のペースで勉強をしていたら間に合わないのは、やる前から分かっている事ですので、
こちらは早くやれ、早くやれ と発破をかけるわけです。
生徒のマイペースや、自称進ののんびりペースでは間に合わないと必死に訴えているつもりです。
高校に入ると、中学時代以上に忙しくなって、なかなか自由に勉強をする時間も取りづらくなるので、少しでも幸先の良いスタートを切れるように、一応真剣に考えて指導をしているつもりです。
しかしながら
「偏差値60あるので、まぁ大丈夫でしょう」(余裕♪)と言った感じで、一部の子は、目の前の高校入試の事しか見ない 感じになります。
ちなみに今春、東北大学に進学された生徒さんは中学時代にターゲット1900の暗記テストは後半まで終わってました。
現在、進学校のTOP集団で頑張っている塾生たちは、中学生時代に高校英単語はもちろん、古文単語も大学受験用のものを使用していましたし、古典文法も高校で学習する助動詞も学習していました。
高校へ進学してから、生徒さんが上位で戦っていけるように、高校入試だけではなく、その先を考えて指導をしているつもりです。
そんな中での
「まぁ下野模試偏差値60あれば大丈夫でしょう」(余裕♪)みたいな、ある種の「俺、偏差値60」みたいな間違えた選民思想を持ってしまい
言ってしまえば、油断と言いますか、3年後の大学受験を軽視した行動に出てしまいます。
偏差値60って
位置的には、この赤丸くらいの位置ですからね。
左側は高校入試の位置です。
右側は大学入試での位置です。
決して優越感を持てるような成績ではありません。
天津飯みたいにドヤ顔になってませんか?気を付けてください。
ちなみに中学時代、塾にも通わず、過去問を一切解いたことがなかった私ですら業者の模試では平均偏差値60でした。
今でいう所の群馬県統一テストってやつです。
偏差値60でしたけど、自分の事を賢いと思ったことは一度もありませんでした。
大学入試では現役で帝京大学とか国士舘大学に不合格になってます。時代こそ違えど、決してドヤれる数字ではありません。
しかしながら偏差値60あれば、足利高校の高校入試では、そこそこ上位で合格できます。
これが間違えた成功体験 になってしまうわけです。
偏差値60あれば、「合格は固いでしょうから、5教科全部冬期講習は不要だと思いますが、先取りもかねて 英数国だけ はおススメしますので是非ご受講なさってください」という感じで、私ならお勧めします。
塾でお勧めされたものの、「いやいや自分でやれる」 と高校入試用 のワークをコツコツ頑張る。
いやいや、高校入試対策はほどほどにして、大学入試に向けて踏み出そうよ!と思うのですが
なかなか知らない世界の事は、後回しになってしまうのは世の常なんですかね。
そして高校入試終了と同時に、「これから先は、予定も見えないので、いったん塾はお休みさせてください」と言って、塾を辞めてしまいます。
そして、気持ちを新たに!!
楽しいけど、忙しい部活に入部し、楽しい高校3年間がスタートです!
自称進に進学したという事実に気付かないスタートだと悲劇を生みます。
VIDEO
まずは自覚して、油断せずに頑張って欲しいものです。
毎日の部活で疲弊しながらも、充実した高校生活を満喫します。
「勉強ばっかりやってても仕方がないよね!」「大切なのは文武両道 !」
文武両道 と言う錦の御旗 を掲げて、一生懸命部活に時間を捧げます。
高1の1学期は進研模試でも165点取れていて、国立大学も見えています。
この頃は、まだまだ余裕です。
「国立行けるっしょ!MARCH余裕っしょ!」
自分の選んだ道に誤りはない!と自信を失っていない時期です。
高2の2学期では150点、3学期は135点と徐々にスコアを下げていき
高2の1学期では120点、ほぼ高校の平均点と同等になります。
熱いお湯に蛙を投げ込むと、びっくりして逃げ出すわけですが、徐々に温かくして言った場合、気付かずに煮立ってしまうと言います。
それと同じような現象が起こります。
そして高2の2学期になり、河合塾の全統模試を受験し、ついに偏差値が50を下回ります。
中学時代に下野模試偏差値60で、「我、覇者なり!!」 とドヤっていた過去がまぶしく見えてきます。
実際に2023年の2学期に実施された足利高校の河合塾全統模試平均点は全国平均を下回っており
足利高校の平均点だと偏差値47,48程度 になってきます。
進研模試ではもっと高く出ていたため、河合塾の偏差値を見てビックリ、焦ってきます。
ここで焦って、パスナビを見て気付きます。
「あれ?パスナビに出ている基準偏差値って、河合塾の偏差値だったんだ。。。」
今まで進研模試の偏差値で55とか出ていたので、MARCHの(パスナビでの)偏差値58まで少しだと思っていたけど
河合の模試になった瞬間に偏差値が48になってしまって、MARCHまで偏差値が10足りないという事実に気付きます。
「模試によって、全然偏差値って違うんだ・・・」この頃にうすうす気付いてきます。
そして、2学期も半ばになり11月になると進研模試が5科目で実施されることになります。
「世界史全然やってなーい!!!」と笑いながら周りに同意を求め始めます。
理社がボコボコな結果になるわけですが、みんな同じような成績なので傷をなめあって安心して終わります。
そして高2の3学期になり
初の共通テスト模試!!!
中学時代に偏差値60あったのに、高2の3学期になり、初めて共通テストを受ける事になるような生徒は普通レアだと思うのですが
なにしろ塾に通ってもいないので、先取りも出来ていなければ、ここに至るまでに共通テスト形式の問題も満足に解いたことがない。
そして、こんな点数が出てきます。
共通テスト初の挑戦で、380点!!!
高校でちょうど真ん中で380点という結果になります。
ここでついに、
山が動きます。
今まで余裕で涼しい顔をしていたお父さん、お母さんが、さすがに何か を察し始めます。
見方を変えれば、ここで初めて真剣に大学受験と向き合います。
塾の先生に何を言われようとも、進学校?に進学したのだからどうにかなるだろうと高を括っていたわけですが、ようやく察するんです。
お子さんのいないところで
「これ、うちの子、大丈夫か?」
「50位くらいで入学したから、順当にやっていれば国立大学に行けると思っていたけど、これ、大丈夫なのか?」
「文武両道で、部活くらいはやっておくべきだと思っていたけど、ほんとに大丈夫だったのか?」
いやいや、息子さんを責めちゃダメですよね。どう見ても、楽観主義だったのは、お父さんも一緒です。
「心配だから、一応、塾に戻ってみるか?」
ということで、380点のスコアを持って
久しぶりに塾に戻り、面談を受けます。
「ちょっと部活がなかなか忙しくて、全然勉強時間が取れていないんですけど、大丈夫でしょうか?定期テスト前だけはやれているようなんですけど」
「出来れば千葉大あたりに進学したいと考えているのですが、厳しいようであれば埼玉とかでも良いかなと」
塾の先生が、なにか言葉を選びながら、気を付けて気を付けて話をしている様子に気付いて
「ひょっとして、厳しいですか?」 と切り出し
こんな風に言われます。
「はい、現状380点という事ですと、順調に伸びて、おそらく本番は480点から500点」 くらいかと思います。
480点であれば、群馬大学も厳しいと知ります。
そして、家に帰り、初めて、お子さんを叱責します。
「おまえ、なんで、こんな間に合わなくなるまで勉強しなかったんだ」
いやいや、親子で認識が甘かったんですよ。
そもそも高校を選ぶ段階で、国公立大学の進学率などをきちんと真剣に考えるべきだったんです。
私も面談時にそのように伝えるわけですが
「今は、まだ高校入試に集中すべき時期ですから」
そう、生徒さんはそうですよ。だって、勉強をしないといけませんから。
だから周囲の大人、塾の先生やご両親が先回りして調べるんです。
面倒でもやるんです。
世の中で言われている真の進学校とは違うんですから。
そして
「いいか、うちは国立しかダメなんだから、最低でも国立じゃないと学費は出さないからな」
と、半ば怒りながら、お子さんに伝える事になってしまいます。
教室の隣の席の子が共通テストの模試で時間内に解き終わっていたので「なんで、そんなに早く解けるの?あんなの終わらなくない?」 と聞いてみたところ
隣の子が「高1から東進の模試を受けてるから、もう慣れたよ」
その言葉を聞いて、「あ、中学3年の冬期講習前の面談で塾長が、高校入学後にすぐ受験しろって言ってたヤツだ」「塾長は、この事を言ってたんだ」ようやくここで伏線が回収 されます。
あぁ、なぜ、言われていたのに、僕はやらなかったんだろう?
後悔してもどうにもなりませんので、勉強をするしかありませんが
ここでも「国立縛り」がネックになってきます。
380点の時点で、国立大学に進学できる可能性は50%を下回っています。
それでもまだ部活を辞めてません 。
現状のスコアと目標がこれだけ乖離していれば、今まで通りの生活を維持しているわけにはいかないのですが、やっぱり楽しい事は辞められません。
やりたいことと、すべきことの区別ができるような子であれば、そもそもこんな点数を取りません。
だとしたら本来3科目に絞るしかありません。
それでも「いや、ダメだ!うちは国立だ!」 と選択の余地がありません。
高3の春から塾に戻り、ターゲット1,900を1から順にテストをし始めましたが、まだ部活も忙しいので合格したり、しなかったり
そして、ふと気づきます。
あれ?さっき自習室で勉強してた子、中学のジャージを着ていたけど、同じターゲット1900をやってる???
「あ、塾長が中学生でもターゲット、シス単をやるって昔、中学生の時に言ってたなぁ」
あの時に、高校入試の事だけ考えないで、塾長のいう事を聞いていれば、今やっている単語帳を、中3から やれていたのか。。。
あのときは、そんなことやっても仕方がないって思ってたけど
「くそー!やっておけばよかった!!!なぜ聞く耳を持たなかったんだ!!!」
高3の夏期講習の前の面談では
「現状でこの点数で国立を目指すのはリスクが高いですので、私立3科目に絞った方が良いです」
と言われ、
そんなはずはない!!
と、なかなか自分を受け入れられず、客観視が出来ず
「俺は、エリートなんだ!カカロットのような下級戦士とは違うんだ」
となってしまい、高3の6月で395点でも国立を目指し、全科目を勉強 します。
そんなタイミングで今度は、焦って、Youtubeで受験情報を見始めます。
お父さんのススメです。
二人そろって、初めてのYOUTUBEで受験情報を知り始めます。
参考書を(初めて)知り、(解いてないのに)分かったつもりになり
最強の知識を手に入れた かのように錯覚してしまいます。
いやいや、そういう知識は何年も前から継続して、我々は見てますし、見るだけでなく、購入して解いてますから。
高3の夏前にYoutubeで知って、「よし、息子に買ってやろう!」と
肘井先生の参考書を買ってあげたりするのでしょうけど、
塾では早い子は中学3年から 始めてます し、新高1でやってたりするんです。
こっちはずっと前から真剣なんです。
高3になって、自称進の子たちがいよいよ動き出す前から、こっちは真剣にやってるんですよ。
塾生が勝てるように。
そしてこんな動画を見てしまったりします。
VIDEO
あれ?
うちの高校って、
「自称進じゃね???」
そうなんですよ。
自称進なんですよ。
だから早くから、ガリガリ進めろって言ってきたんですよ。
あれ?
「国立国立!!!」ってうちの高校は言ってるけど、、、、
自称進だからだったのか!!!と
今さらながら目から鱗になるわけです。
Youtubeで参考書を使っての自習が最強だと言うので、夏休みは、肘井の読解文法をやって、大岩の英文法をやって、関先生のエッセンシャルズをやって、英文解釈もやって、評判の良い参考書を揃えて頑張ってみたのに
夏休み明けの模試では点数が伸びず
YOUTUBEで基礎が固まってから読解と言っていたので、信じてまずは夏に基礎固めをやったのに
共通テスト模試では全然時間が足りず、
結局9月の模試でも、900点中400点。
そりゃそうです。ネットで評判の参考書が並んでますけど、共通テストの時間内に読み終えるような訓練が一切入ってませんから。知識は付いたとしても共通テストでは点数が伸びないです。分かりそうなものですけど、解きもせずにネット情報だけを鵜呑みにしていたらそういう失敗もします。
8月末にやった河合塾の全統記述模試でも世界史が28点 !
こりゃ、もう駄目だ。。。
と、思って、成績表をよく見ると
世界史の校内平均点が27点 ・・・
あれ? おれ、28点しか取れてないけど、校内偏差値が50越えてる。。。
ちなみに、この部分は、嘘じゃないです。
今、これを見ているみんなが進学しようとしている足利高校の3年生の世界史平均点は本当に27点なんです。(2023年8月河合塾全統記述模試)
数学0点を取っても、順位が最下位じゃない んです。なぜだか分かりますか?
俺は下野模試で偏差値60だった、とか
白鷗学特の試験ではA特待だったとか
あの時に余裕をかましていた自分にどんな言葉をかけてあげます?
そんな時に、クラスのみんなが指定校推薦について話をしています。
国立はおろか、名前の知られている大学に一般入試で受かるのは無理だろうとうすうす感じ始めたころです。
焦りとストレスの中で
指定校推薦で、日大に進学することを決意。
お家の方にも「日大の法学部でやりたいことが見つかった!指定校で行けそうなんだけど!」と相談。
もうさすがに無理だと、焦っていたお家の方も「え!日大だと!!!」
誰でも知ってる大学に行けるのならアリかも しれないな!!!
共通テスト9月も自己採点では400点のままで、全然動いていないから、指定校で行けるならアリだ!!
そして、日大法学部に進学が決まります。
比較的上位で高校に入れた貯金で評定が4.0あったんです。指定校推薦枠がたくさんある足高の必殺技ですね。
足高から有名私立への合格は半数近くが指定校推薦だと予想します。
決まっても、他の子たちが決まっていないから絶対に周りには言うな よと、学校に言われているけど
学校内の選考を通った瞬間に嬉しくて嬉しくて、インスタに「日大法学部指定校通ったーー!!」 と投稿。
毎年繰り返される顰蹙を買うパターンです。
毎年います。
そしたら、高校入試で単願で、佐日進学コースに進学していた中学時代の同級生からコメント。
「おめでとう!俺も法学部に決まってるよ!一緒だね」
中学生時代に下野模試偏差値60の子が、偏差値43だった子と同じ大学生、同じ学部に進学する事がこうやって決まっていきます。
そして、二人は大学で、親友になったと言います。(もちろん作り話です)
結果的に、日大という有名大学に進学できたので、成功と言えば成功ですよね。
良かったね!という結果だと思います。
兄貴の生きざまを見て、4個下の弟は中2からターゲットの暗記をはじめ、中2の終わりには英検準2級に合格し
中学で英検2級に合格。
兄貴のアドバイスもあり、その3年後に筑波大学に進学したそうですよ。(重ねて言いますが作り話です)
兄貴のお陰で、弟くんはもちろん、お父さんも、お母さんも受験対する認識が変わった一例ですね。
私たち塾の先生は、こういう事例を毎年のように目にしています。
大学受験が終わってから気付くのではなく、中学生のうちに気付いていればくれれば幸いですね。
☆☆☆
このブログは、「どうにかなるでしょ」と余裕でいる方に、
いやいや、実際はなかなか厳しいんですよ!と感じてもらうために作り上げられたフィクションです。
下野模試で偏差値65以上の層になると、しっかり自分でコツコツやれるケースも多く、自称進からでも、その高校を引っ張っていくだけの力をもっている生徒さんが多いと思います。
過去に何人も学年TOPとかTOP層の子たちを担当させてもらってきましたが、上位はとても優秀です。
高1からしっかりやれば、有名大学に進学できますから
油断することなく、高1からコツコツ頑張ってください。