7億のエッシャー・コレクション、日本の会社役員が購入
1986年7月、総額約7億円のM.C.エッシャーのコレクションが、日本人のファッション会社「ニコル」専務、甲賀正治さん(当時39歳)によって購入された。
独特の作風で有名なマウリッツ・コルネシア・エッシャーは、20世紀に活躍したオランダの画家・版画家(1898~1972年)。当コレクションは、エッシャー財団のヤン・フェアミネン氏(当時68歳)から買い取ったもの。コレクションは、木版画作品420点が中心であった。エッシャーの全版画作品数は約450点であるため、そのほとんどを占めていた。甲賀さんは、コレクション購入に関して、「あくまで、個人のライフワークとして買った」と読売新聞に答えている。作品の一部は、東京都渋谷で同氏が運営するギャラリー・フェイスで展示されていた。
「エッシャーに魅せられた男たち 一枚の絵が人生を変えた」(野地 秩嘉 著、文庫 光文社2006年)によると、同氏が青春時代アルバイトに精を出していた頃に暮らしていたアパートの部屋には,アメリカ人水兵から貰い受けたエッシャーの作品ポスターが貼られていた。同氏は世界最大級のエッシャー・コレクションを手に入 れるに当たって、数億円もの借金を負ったという。
その後バブルが崩壊し、同氏が社長をしていた系列会社が2002年1月に倒産した。同氏のコレクションは作品集を出版したが、その後の詳細は伝えられていない。