今日のネタもネット関連です。
昨日の朝日新聞の夕刊のトップ記事のタイトルはこれでした。
おすすめ動画「染まる」スマホ
記事の内容は、インターネットにおける「フィルターバブル」についてです。
皆さんも経験されたことがあると思います、YouTubeで何かを検索して視聴すると、それが終わった後画面の右側にそれに関連した動画がずらりと並ぶことを。
その内容が娯楽ならいいですけれど、テーマが政治やワクチンに関する事だと、同じような内容の動画が並んで出てくるので、いかにも世界中の人が同じ考えを持っているかのような錯覚に陥ってしまいます。
そして、それらの動画を検索しているのは自分だと思っているので、自分の意思で情報を獲得したかのように感じます。
でもそれは、YouTube側が作り上げたバブルの中に閉じ込められた状態での情報で、決してフラットな状態ではありません。
結果「真実はネットの中にあった」「既存のメディアの情報は全て間違っている」となっていきます。
反ワクチン派の親御さんに「どうして子どもにワクチンを打たせないの」と聞くと、大多数の親御さんが「ネットでいろいろ調べたら、ワクチンは体に害を及ぼすことがわかりました」とおっしゃいます。
でも、本人は「いろいろ調べた」つもりになっていても、それはフィルターバブルの中での話なのです。
昨日の夕刊の記事は、今行われている参議院選挙に絡めたものでした。
確かに最近はYouTubeで政治家が演説している動画が上がってくることが増えました。
それは政党が上げているものもありますし、一般市民(もしくは一般市民を装った支援者)が上げているものもあります。
それらが選挙の結果に大きな影響を及ぼすことは、前回の兵庫県知事選挙で実証されました。
今回の参議院選挙がどのような結果になるかわかりませんが、いわゆるオールドメディアとされている新聞としては、今の流れに警鐘を鳴らす記事を出したかったのだと思います。
ただ残念なことがあります。
それはフィルターバブルの中にいる人はまず新聞を読むことがありません。
だから今回の記事でそれらの人の行動変容を生みだす確率は極めて低いでしょう。
下手をしたら、オールドメディアの自己満足に終わってしまうかもしれません。
それでもあえて朝刊のトップに持ってきた意図を新聞社に聞いてみたいところです。