今日は悲願の中日なのでお墓参りに行ってきました。
ただお墓に行ったのは夕方の5時過ぎ、広い墓地には誰もいませんでした。
流れてくる風にはもう秋の涼しさを感じます。
ぼんやりと墓地全体の風景を見ながら、何となく母親が生きたいた頃のことを考えていました。
すると遠くから読経の声が聞こえてきます。
私が立っていたのは墓地全体が見渡せる高台にある管理棟の近くです。
そしてその声は200メートル以上離れた下の方のお墓の前でお経を読んでおられる和尚さんが発しておられるものでした。
「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏」
和尚さんの声と風に揺れる樹々の葉擦れだけしか聞こえてきません。
ちょっと不思議な空間に自分が漂っている感じがしました。
お花もお供物も線香も何も持たずのお墓参りです。
たぶんあの世で母親が呆れて笑っていると思います。
それを許してもらえると思っているのは、まだ母親に甘えている証拠なのかもしれません。