秘密主義 2023-07-12 | 日々雑感

日々雑感

西宮市の小児科医のブログです。

コロナ、明らかに増えています。

それもある年齢層に集中して発生してます。

そこの学年は当然学級閉鎖の措置が取られています。

ところが、どうして学級閉鎖になったのか保護者に情報が伝わっていません。

おかあさんに「どんな病気が流行っているの?」と聞いても、「はっきりと言われないのでわかりません」との返事です。

だからそんな時コロナの診断がつくと、保護者の方は一様に「病気がわかって安心しました」とおっしゃいます。

なんか変な話です。

インフルエンザが流行して学級閉鎖になるときは「インフルエンザが流行っています」とのアナウンスがなされるのに、どうしてコロナだと関係者は口をつむってしまうのでしょう。

この5月から同じ5類の病気になったのだから、同等の対応をすべきだと思います。

コロナがこの世の中に出始めた2020年の頃は、確かにコロナにかかると社会的な制裁を受けるような雰囲気があったのは事実です。

これはあってはならないことです。

しかしもうこれだけ感染者が増えると、もうそんなことを言う人はまず誰もいません。

私も昨年7月に罹患した時は、この日記でそのことを公表しています。

ましてや5類になったのですから、クラス内でコロナが発生していることを隠す必要はないと思います。

そんなことをすると、かえってその集団の不安を掻き立てることになります。

その不安を解消するための方策をきっちりと取っているのならいいのですが、それを全くせずにだんまりを決め込んでいるとしたら、それはある意味責任放棄ではないでしょうか。

そしてそんなことをするということは、関係者にまだコロナ患者に対しての偏見が残っている証拠だと思います。

 

ずっと前に書いたことがあります。

コロナの怖い所は、その病気にかかることだけではなく、社会の偏見を増長することです。

病気自体はだんだん軽症化しています(ただし中に重症化するケーズがあることは間違いないので、決して軽視してはいけません)。

でも社会の偏見を残しているとしたら、やっぱりコロナは怖い病気です。