今日久しぶりに解熱剤のドライシロップが入荷されました。
発注をかけたのが6月16日ですから、発注から入荷まで約3週間もかかっています。
以前からこの日記で薬が足りなくなっていることをよく取り上げています。
最近その傾向がさらに顕著になっています。
今手に入りにくい、あるいは全く手に入らないのが、去痰剤、ある種の抗菌剤、解熱剤、気管支拡張剤などです。
特に去痰剤はいくら注文をかけてもなしのつぶてです。
咳や鼻水が出ている時は、どうしても去痰剤を処方します。
それができなくなると、とても困ったことになります。
今のところはどうにか在庫分で凌いでいますが、それも限界があります。
仕方がないので、今週に入ってからこれらの薬において処方日数の制限をかけることにしました。
ところが先日来られた患者さんのお薬手帳を見ると、普通の風邪症状に対して他の医療機関から薬が30日分も処方されていました。
そしてその中に去痰剤も入っていました。
こんな処方の仕方をしていたら、そりゃ薬も足りなくなりますよね。
滲出性中耳炎や慢性副鼻腔炎に対して去痰剤を長期投与するのは理にかなっています。
しかしそれ以外の日常一般的な病気で去痰剤を長期投与しなくてはならないケースはないと思います。
気管支喘息のお子さんに対しても、喘息の予防薬は毎日飲まなくてはなりませんが、調子のいい時に去痰剤の連日投与は不要です。
もしかしたら保護者の方が長めの処方を希望されたのかもしれません。
しかし薬が手元にあるがために受診をせずに様子を見てしまい、結果重大な病気の発見を遅らせることだってあるのです。
こんなことからも、風邪の時に薬を長期投与することはいかがなものかと感じています。
この薬不足の厳しい状況を、皆さんのご理解とご協力を得てどうにか乗り切っていきたいと思っています。