先日普段見せてもらっているお子さんの親御さんから次のような内容のLINEが届きました。
「16日にこどもが熱を出して受診希望の電話をしたら断わられた。何のためのかかりつけ医か」
実際の文面はもっと柔らかく、気持ちを抑えた理性的な表現です。
この日の状況を説明します。
16日は朝から受診要請の電話が鳴りっぱなしでした。
通常の発熱対応診察枠を前倒しにしたのですが、それでもすぐにいっぱいになってしまいました。
本来であれば診察終了の11時45分以降も診療を延長していかなくてはなりませんし、通常はそうしています。
ところがその日は12時45分から新型コロナワクチン接種の予約が入っていました。
その中には4回目接種を受けに来られるお年寄りもいらっしゃいます。
そんな方と熱のあるお子さん=コロナかもしれないお子さんを一緒の空間で待っていただくことはできません。
そして予防接種の後の時間もどうしても外せない用事が入っていて夕方に診療することもかないませんでした。
そのような理由で、こちらとしても本当に心苦しかったのですが、診察をお断りせざるを得ませんでした。
ここ数日の日記に毎日書いていますように、7月に入ってから発熱外来が爆発しています。
うちは普段それほど患者数の多い小児科ではありません。
それなのに今月は数多くの患者さんが押し寄せてこられます。
その一つの理由としては、普段診てもらっている医療機関から何らかの理由で受診を断られた方がうちに流れ着いてこられていることが挙げられます。
隣の宝塚市からも受診に来られます。
ある意味気の毒な患者さんです。
そんな方の気持ちを汲むと、むげに断ることもできません。
だから診察を受け入れます。
でもその結果としてかかりつけの患者さんにしわ寄せがきてしまいました。
今回のケース、診察をお受けできなかった患者さんには本当に申し訳ないと思っています。
かかりつけの患者さんからの要望にはできるだけ添うように、私達もいろいろと工夫しています。
本来の予約枠を超えて無理矢理かかりつけの患者さんの予約を押し込むこともあります。
しかしそれでも対応できないことは残念ながらあります。
いくら頑張っても飛行機が定員以上の乗客を乗せて飛ぶことができないのと同じです。
昨日の日記で「受診難民」の話を書きました。
今回のケースもある意味「受診難民」と言えます。
残念ながら今の私には今回の問題を根本的に解決する方法が見つけられていません。