ちょっと迷ったんですけど、京都の写真が連続してるんで、いったん8月の初めに訪れた東京は赤坂アークヒルズにあるサントリーホールに出かけた際の写真をアップしようかと思います。
で、渋谷からは地下鉄で行ってもいいんですけど、バスで行くことに。
都営バスで、渋谷から六本木通りを通って新橋まで行く路線があるので。
サントリーホールを背に。左手の建物がアーク森ビル。
真ん中右手がANAインターコンチネンタルホテル。その左で建設中なのがたぶん、東京ワールドゲート赤坂の『赤坂トラストタワー』(43階 208m)
SONY α7Ⅲ Carl Zeiss Batis 18mm F2.8
で、この日は少し前にアップした六本木ヒルズ森タワーの屋上から東京タワーを撮った翌日のことで。
目的はサントリーホールで行われたピアノリサイタルでバッハの『ゴルトベルク変奏曲』を聴くため。
以前も書きましたが、私、バッハが好きで、ここ数年はピアノ曲はバッハばかり聴いてるといっても過言ではない・・・。
そのバッハのピアノ曲の頂点に位置する作品と言われているのがこの『ゴルトベルク変奏曲』。
渋谷駅付近 バスの中から
IL PACIOCCONE CASEIFICIO 南青山のイタリアンレストラン
青山学院中等部前
SONY α7Ⅲ Carl Zeiss Batis 18mm F2.8
で、これも以前記事で書いたことがあるんですけど、グレン・グールドが1955年に録音した『ゴルトベルク変奏曲』に、私すごく惹かれて。
でもまあ、一般的にはバッハのピアノ曲ってあまり理解されておらず・・・。
そもそもウチの子ですら、「バッハを聴いていいと思う人なんているんだ・・・」と正直にのたまうぐらいですから(笑)。ちなみに彼は楽器の練習でしかバッハを聴いてないと思う・・・。
多くのピアニストさんたちも習いたての頃、インベンションあたりでバッハが嫌になる人多いって話ですから、仕方ないのかも💦
六本木四丁目 GRALIC AIRSTREAM なだれ坂店
バスの中
六本木なだれ坂交差点
SONY α7Ⅲ Carl Zeiss Batis 18mm F2.8
ですから、私も別にバッハについて他の方に理解してほしいとは思っておりません。
音楽とか芸術って個人の好みありますからね。
特に日本では、ピアノ曲というとロマン派とそれ以降のショパンやリスト、ブラームス、メンデルスゾーン、ドビュッシーあたりが人気?
まあ私も聴けば、ああいい曲だな、とは思いますが、ひとりで自由に好きな曲を選択できる時間があったとして、そのあたりの曲を選ぶことはまずないんですよね・・・。情感が豊かすぎて、聴いていて重く感じてしまうというか・・・。
というか私、ジャズも聴きませんからね。いい曲だとは思っても、なにか自分の求めているものと違うというか。
首都高速、谷町ジャンクション。 左が3号渋谷線、右が都心環状線C1
なだれ坂交差点にて。たぶんポルシェ911のひとつ前の991型?
交差点を渡ると六本木一丁目駅
SONY α7Ⅲ Carl Zeiss Batis 18mm F2.8
で、先ほど言及したグレン・グールドさん。1955年、22歳の時に録音した『ゴルトベルク変奏曲』がデビューアルバムで。
プロデューサーたちは別な曲を提案したのに、グールドは自分の選んだ作品に完全な自信を持っていて結局押し切り、結果世界的なヒットアルバムになったと。
この録音ですが聴いていると、ところどころで彼の鼻歌が聴こえるんですね(笑)。
私の好きなバッハのピアノ曲は、この『ゴルトベルク変奏曲』もそうですが軽やかな曲が多いので、きっと演奏者本人も乗ってしまうんでしょうね(笑)
同時にそれだけ集中没頭、魂が完全に曲に乗り移っていたといえるんじゃないかと。
これもC1と3号渋谷線。右の下道が国道246号線
はいこれも谷町ジャンクション手前
真ん中の大きく映っているビルがアーク森ビル
SONY α7Ⅲ Carl Zeiss Batis 18mm F2.8
で、このグールドさん、1982年に50歳で亡くなるんですが、生前ショパンを弾くことはあまりなかったらしいです。
そういうエピソードを含め、バッハの解釈にしても私、なんとなく理解できるんですよね・・・。バッハが好きな人ってたぶんショパンというか、感情表現が豊かなロマン派を好きな人ってあんまりいないと思うし、逆もまたしかり。
でもこれって個人の好みですからね、単に私が少数派というだけの。
優劣の問題ではありませんので。
まっすぐ行くと国道246号線へ合流 する脇道?この付近から渋谷までの246は六本木通りとも呼ばれています
アークヒルズに到着
そうそう、昔はテレ朝の朝の番組ってここから中継してませんでしたっけ?
SONY α7Ⅲ Carl Zeiss Batis 18mm F2.8
で、バッハ弾きの方っていろいろいますが、私はこのグールドとアンドラーシュ・シフの演奏CDを聴くことが多いですかね。
ここ数年で、『ゴルトベルク変奏曲』、『平均律クラヴィーア曲集1、2巻』、『インヴェンションとシンフォニア』、『パルティータ』、『イタリア協奏曲』、『フランス組曲』、『イギリス組曲』等々あたりはすべてそれぞれグールドとシフの演奏のものを手に入れて、まあその時の気分でどれかを選んで聴く感じ?
アーク森ビル一階のレストラン?
昔の人なら知っているとは思うんですが、アークヒルズのアークってARKで
はい、ここがお目当てのサントリーホール
SONY α7Ⅲ Carl Zeiss Batis 18mm F2.8
で、今回の演奏をなさった方も、コロナ禍で演奏会等ができなくなり、家に閉じこもらざるを得なくなった時期を利用して、若いころから自分のレパートリーに加えたかった『ゴルトベルク変奏曲』を仕上げたというお話。
また、その時期のそのピアニストさんの一日の生活を何かで読んだことがあったんですが、この『ゴルトベルク変奏曲』以外にも自分の楽しみで、『平均律』や『フランス組曲』等を聴いて過ごしていたと。
真ん中に見えるのがANAインターコンチネンタル。アークヒルズとともに生まれたホテルですね
コンサートは終了。泊まっていた二子玉川のホテルに戻ります
ARKはAkasaka(赤坂)とRoppongi(六本木)のKnot(結び目)という意味の造語という話
SONY α7Ⅲ Carl Zeiss Batis 18mm F2.8
現在、私が車で聴く時のMyFavoriteフォルダの冒頭3曲が
『イタリア協奏曲第3楽章』、『フランス組曲第5番』、『ゴルトベルク変奏曲』だったりするわけで。
偶然ですけどこれらが、まあ現在私の最も好きなバッハのピアノ曲と言ってもよく・・・。
私にしては珍しいんですが、演奏会終了後に買ったCDにサインをしてもらいました
まあ一回でもいいから生の『ゴルトベルク変奏曲』という大作を聴けたら、と思っていましたからこれで生涯悔いなし?(笑)
さらばアークヒルズ 次に来る機会があるかどうか・・・
SONY α7Ⅲ Carl Zeiss Batis 18mm F2.8
ですから、今回の演奏会の話を知ったとき、これほどまでその感性に近しさを感じる演奏家の方のリサイタルをどうして逃すことができようか?という感じで、抽選受付開始からたぶん数分以内には応募完了していました。
で、その甲斐あってけっこう前列で拝聴することができました。ありがたいことです。
そしてこの『ゴルトベルク変奏曲』は、たぶん現在私の最も好きなピアノ曲と言え、それを生で聴くことができたというのが大きいわけで。たぶんシフの解釈に近い演奏だったとは思うんですが。
生演奏のよいところ、というのはまたあらためて書いてみたいとは思うんですが、その感動も含めて、まるで人間の一生を描いているかのような『ゴルトベルク変奏曲』(演奏者談)。
アンコールもなしの、ただの一曲(アリアが初めと終わりにあって、30曲の変奏曲の合計32曲からなる)のみの演奏会は、今まで聴いたすべての演奏会の中で最も素晴らしい1時間20分だったと言っても過言ではないでしょう。
最後に。
その日の演奏者さんが、たぶん最も大きな影響を受けていたであろうシフの『ゴルトベルク変奏曲』を。
最初のアリアとか第1変奏とか、ああ、ちょっとシフっぽいなあ、と思いながら演奏会場で聴いていました。