にじみ絵「学年ごとに決まった絵がある」は思い込みかもしれません〜
日本でシュタイナー教育に触れたことがある方の中には、
「1年生はこの絵、2年生はこの絵…」というように、
学年ごとに決まった絵を描いていく、
というイメージを持たれている方が多い気がするのね。
そういう教え方が主流なのかな?
私は、学年ごとに決められた絵では教えていないのね。
子どもは一人ひとり違う。
発達も違う。
その日の心の状態も違う。
だから私は、
「何年生だから、この絵を教えましょう」
というところから始めるのではなく、
「今、この子どもたちには何が必要なんだろう?」
もっと言えば「どの色が必要かな?」
というところから始めたい。
私のところに来られた、
教える先生になりたいという方から、
私の絵の講座の内容を聞いて、
びっくりした顔でこう言われたことがあります。
「私は、学年ごとに”この絵”を教える方法を習ったんですが、
それとは違うんですね」
と。
たしかに、シュタイナー学校では、
「1年生にはこの絵」「4年生にはこの絵」と、
学年ごとに描くものが決まっている、、、
というか、子どもたちの発達段階によって決まったテーマがありますよね?
でも、
シュタイナー学校で教える担任の先生になるのなら、
学年ごとのテーマを理解することは必要だと思うけど、
絵画教室で教えるなら、おかしなことにならないかな?
たとえば、教室でにじみ絵を描く、というときに
1年生の妹さんと、
4年生のお姉さんが一緒に教室に来たとしたら?
学年ごとに描く絵が決まっていたとしたら、
どっちのテーマで教えたらいいの???
となりませんか??
3年生だから、動物の絵を描きましょう??
今日、ちょっと本音を書いてみようと思う。
私の息子たちがイギリスのシュタイナー学校に通っていたとき、
3年生のエポック(メインレッスン)授業に「動物学」というテーマがあったのね。
息子たちがやっていたのは、まず自分の好きな動物を一つ選ぶ。
そして、
・その動物について自分で調べて、プロジェクトにまとめたり。
・その動物が出てくるお話を、自分で作ってみたり。
・みんなで動物園に行って、実際に動物を見たり。
・粘土でその動物を作ったり。
・手仕事の時間には、フェルトで自分が選んだ動物のお人形を作ったり。
・動物についての詩を書いたり。
・先生から、動物のお話を聞いたり。
そして、
絵の時間には、動物を絵に描く。
イギリスのシュタイナー学校のノートから(長男小3)
大きな流れの中の”にじみ絵で動物を描く”だったの。
「小学3年生の子どもたちが、どんな発達段階にいるのか」
「この時期の子どもたちは、世界をどんなふうに見ているのか」
「今、子どもたちに何を体験してほしいのか」
そこから、一つの大きなテーマが組み立てられていました。
だから、動物について学ぶことも、
絵を描くことも、粘土をすることも、
手仕事をすることも、詩を書くことも、
お話を聞いたり創作することも、
全部がつながっている。
「動物」というテーマを通して、
子どもが世界をいろんな角度から感じ、考え、体験していく。
そして最終的に『人間がいかに素晴らしい存在なのかを
体験を通して感じる』っていう大きなテーマがあるのね。
その中の一つとして「絵を描く」があったの。
だから
「3年生だから動物の絵を描きましょう」じゃないと思ったのよ。そう思わない?
本末転倒。
もちろん、3年生の子どもに動物の絵を描かせること自体が、
意味がないと言っているわけじゃないよ。
それはそれで、楽しいよね。
「先生からライオンの話聞いて、ライオンの絵、描いたー』
でもいいかな。絵画教室なら、週1回60分とか90分とかだしね。
私が見ているのは学年じゃなく、
その子が今、どんな状態にあるか。
子どもは、一人ひとり違う。
発達も違う。
その日の心の状態も違う。
同じ3年生でも、見えている世界は違う。
絵画教室や放課後ディ、
フリースクールでは、
学校ではない、
少人数のグループならではの良さがあるはず。
少人数で絵を描けるという環境。
一人一人に目をかけることができるという環境。
その良さを見ないで、
「この学年ではこれを教える」
というカリキュラム理論だけを見て、
そこに子どもを当てはめていくのは
ちょっと違うよね?と思ったの。
その子たちに必要な体験を考えて、
そこから「何をするか」を決めていく。
イギリスのシュタイナー学校で、
息子たちが経験していた「動物学」は、
私にとってまさにそんな学びだった。
動物の絵を描いたことだけを切り取ったら、
「3年生は動物を描くんだね」
で終わってしまう。
でも、その背景にあるものを見ていくと、全然違う景色が見えてくる。
私は、そこを大切にしたいと思うよ。
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