だんだんと秋が深まってきましたね。暗くなるのが早くなってきました。
息子が小2の頃の思い出です。
12月のはじめのことです、息子を当時通っていたシュタイナー学校の教室まで送っていくと、教室の中が妙に暗いんです。朝8時前だったんですが、曇りの日で電気をつけていない教室は壁にかけられた絵も判別できないくらい薄暗いんです。
「な、なに??」と思って、普段は入らない教室の中をのぞくと、先生が手招きしていました。
そして、その教室の中では、美しく飾られたクリスマスの飾りとキャンドル、そして写真のような回り灯籠がゆっくり回っていたんです。
先生と息子、それに何人か来ていた子どもたちとその親と一緒に無言でしばらくうっとりとながめ、そっと教室をあとにしたのでした。
ふと自分が幼稚園だった時のことがよみがえりました。
薄暗い雨降りの日、母に手を引かれて幼稚園へ行くと、教室は白くて冷たい蛍光灯が明々とついていて、中では園児がキャーキャー騒いでいる声が聞こえて、なんとなく「やだなー、行きたくないなー」と思っていました。
30年以上たったその時、はっきりとわかりました。わたしは子どもの頃、こういう場所を求めていたんだっていうことが。
急に明々とした、刺激のつよいところに放りこまれるのが嫌だったんだなぁって。
そういうわけで、その灯篭がどうしても欲しくなり、、、イギリス滞在の最後のクリスマスに、買って大事に持って帰ってきたというわけです。
薄暗い外から急に、電気がついたぴかぴかまぶしい教室に入るのではなく、クリスマス前のアドベントの朝を静かに、美しい光の回り灯籠を眺めながらはじめる。。。なんとも素敵じゃありませんか?
