続きです。

 

私は号泣していましたが、特別に何かが悲しくて泣いていた訳ではなく、ましてや泣こうとしていた訳でもありません。意識はしっかりしてましたが、自分の意志とは無関係でした。

 

この事について、住職から説明を受けたのですが、私と兄との間には流産した水子さんがいて、その子がずっと私と一緒に居るのだと。つまり、私の身体には自分以外の水子さんもいたんだと。

住職は交霊祈祷を修して下さったのでした。

 

住職は、水子や霊障そして供養についても丁寧に説明をして下さりました。

私は話を聞きながら、自分の身体に起きた現象を頭の中で整理しようと必死でした。

まだ、九月の暑い盛りでしたが、体が身震いし、もしかして恐怖を感じているのか?

と心の中で自問自答していると、体の震えが大きくなっていき悪寒さえ感じました。

私の異変に気付いた住職から、

「どうしたのか?」

と尋ねられたので、ありのまま

「寒気がします。」

と答えた瞬間、意識が遠のき正座していた私はそのまま後ろに倒れてしまったのです。

 

倒れた後、私の意識は朦朧としていたのですが、住職と家族の会話はハッキリと聞こえてきました。

住職が、

「身内で、誰か寒い思いをして死んだ者はいないか?」

と聞かれ、母が、

「私の父が寒い日に亡くなっております。」

と答えると

「そうか。この者の祖父に違いない。今から暖めてやる。」

とおっしゃって、真言を唱えだしたのです。

やがて、悪寒が消え、身体の震えも止まり、意識もはっきりしました。

後で、兄が私の体は実際に凍りつく様な冷たさだったと教えてくれました。

 

この日は、住職の計らいで家族全員がお寺に宿泊させて頂きました。

 

 

翌日、水子さんと祖父の供養をして頂き帰宅したのですが、その数日後には、私一人でお寺を訪ねていたのでした。

実は、家族でお寺に泊めて頂いた二日間の間に、まだまだ私を驚愕させた出来事があったのですが、話が長くなるので、割愛させて頂きます。

 

 

あしゃらはこの住職を生涯の師と仰ぎ、弟子となり、その後数年間、この寺で過ごす事になりました。