前回、『弟子となり‥‥‥』と書きましたが、最初から弟子入り希望だった訳ではありませんでした。
元々、宗教的な事には無関心。と言うより否定的な立場でしたから。
唯、ほんの数日前に自分自身に起きた事を自分の中で整理したかっただけなのです。
師僧から
「お前は此処に来る前、どんな職に就いていたのか?」
と尋ねられ、
「何もしていません。」
と答えると
「そうか。無職か!それは良かったな。
始まりとは終わりに近いていく事。
終わりとは始まりの始まりだ。」
と、微笑みながら言って下さりました。
実は、当時、自分で食べるくらいの収入源はあったので、謂わゆるフリーターと言うのが的確な言語だと思ったのですが、老僧の住職が、フリーターという言い回しを知らないのではと‥‥‥。
「何もしていません。無職です。」
咄嗟に口から出ました。
本当は、無職と言うと、住職から「いい若いもんが仕事もせずに」と咎められるだろうと心配していたのですが。
今、思えば定職や家庭を持っていたら、思い切って、寺に住み込んで修行など出来なかったと思います。
当時、寺では中学生のA君を訳があって遠方より預かっていました。
毎日、寺から地元の中学に通ってました。
朝起きるとA君と二人で本堂の掃除。
朝食を頂いた後、彼は登校。
私は師僧の手伝い。境内の整備、庭木の手入れ、等々。
寺には重機や製材機、作業場までありました。
『自分で出来る事は、自分でする。』師僧のモットーでした。
来客がない日には、朝から晩まで、よく土方仕事をさせられました(笑)。
70代とは思えない体力には驚かされました。
そんなある日、【知っておきたい、これだけは】という小冊を手渡されました。次回は、その内容を書いていきたいと思います。
