母がいなかったため、幼少期の私は、祖父の家で過ごす時間が長くありました。

祖父の家は田舎にあり、自然が豊かで遊べる場所がたくさんあって、私にとっては子供らしくいられる唯一の場所でした

 

あの思い出があるからこそ、私は『自分の居場所』を探す力を育めたのだと思います。

 

幼少期シリーズ⑤の続きです↓ 



私は、祖父と一緒に山に行くことが大好きでした

祖父が作業している間は、木に登ったり、山を散策したりして遊びながら待っていました

帰り道には、その山のお地蔵さんに2人でよく手をあわせていましたお願い 

 

ある日、祖父がふいに笑いながら言いました

『髪の毛染めてないんだぞ 

みんな驚くんだ』

ふさふさの黒髪だった祖父 

でも当時の私は意味がわからなくて きょとんとしていると

『そうかお前には

まだ、わからんかぁ』と、また笑った 

 

――なぜか、あの時の夕焼けや山の情景まで鮮明に覚えているんです 

もっと色々あったはずなのに、なぜかこの景色なんです

 

そして不思議なことに、私も祖父と同じく白髪がほとんどありません

今になって、あの時の祖父の得意げな笑顔の理由がよくわかります


 

私は祖父が大好きでした 

祖父が迎えに来てくれると嬉しくてたまりませんでした爆  笑キラキラ

 

祖父の家までは電車を乗り継いで行くのですが 駅で必ず天津甘栗を買ってくれ、皮をむいてくれました 美味しくて、嬉しくて、至福の時間でした栗

 

祖父の家に行け

家事をしなくてもいいし

ご飯もおいしいよだれ

寒い夜は同じ布団で眠り、温かさに包まれながら安心して眠りにつけました大あくび

 

何より大好きな祖父がそこにいる

――それがあの頃の私にとって、唯一安心できる時間でしたニコニコ

 

 

小学校2年生の頃、祖父が胃がんになりました 

退院してきた祖父は胃ろうをしていて、頭はしっかりしているのに寝たきりの状態に…

 

その苦しさも事情も、当時の私にはわかりませんでした 

祖父が寝ている横でじっとしていることもなく、ひとりで山や外へ遊びに行っていました。

……今思えば、そばにいれば良かったと、胸が痛みますショボーン

 

ある日、めったに会わない親戚のおじさんが祖父を訪ねてきました 

私は「お小遣いがもらえるかも」と期待して祖父の部屋に居座りました 

すると祖父が声を荒げて言いました

「外にいってなさい!」

姑息な気持ちを見透かされた気がして、私はバツ悪く外にでました

 

祖父は、よく怒るようになっていました

……動けないもどかしさがそうさせたのかもしれません

ただ当時の私にはわかるはずもなく『大好きな祖父に拒絶された』と深く傷つきました

それから私は少しづつ祖父と距離を置くようになってしまいました

 

時が過ぎ

小学3年の時に祖父が亡くなりました

お葬式には参加させてもらえませんでした 

 

私は、ただただ悲しくて

祖父から離れたくなかった

それだけだった

 

だけどそれも叶いませんでした

「せめて手紙を祖父の棺に入れてほしい」と頼みましたが、叶ったのかどうか確かめることもできませんでした

 

祖父の死を境に、私の居場所はだんだん変わっていきました 

祖父がいないだけで、すべての景色が色あせて見えました ショボーン

 

祖父の家に行っても以前のような温かさはなく、私があまり良く思われていないことが幼いながらも、ようやく分かりました

休み期間いっぱいまでいられなくなり、早々に家に帰されるようになりました

 

それでも、父のいる家に、いるよりはずっと天国でした

 

元気すぎる私は、きっと迷惑をかけていたのでしょう 真夏の暑い日、庭の大木に縛られ、放置されたこともありました 必死で抜け出し、思い出のお地蔵さんのところへ駆け込んだのを覚えています

 

今思えば、高校生と大学生になった従妹たちを育て終え、やっと一息ついたところに、わんぱくな私を長期で預からねばならなかった叔母たちの大変さ……

──今なら、その疲れや、しんどさも少し理解できます


 

祖父に拒絶されたという痛みからなのか、いつしか私は祖父のことを思い出すことを自分に禁じていたようです

けれど、この幼少期シリーズを書くことで、少しですが記憶がよみがえってきましたニコニコ

 

祖父の優しさも、私が抱いた傷も、今ではすべてが私の一部になっています

その痛みを抱えながらも、私は今日を生きています なんだかとても真面目に語ってますね笑笑 でも、それほど大切な思い出なんです。

 

祖父の思い出は、今も私の中で静かに息づいています。

あの温もりを抱きしめながら、私はこれからも歩み続けていきます。 

 

——大好きな祖父の思い出と共に 

 

ちなみに、写真は残っていません。

ただ、昔祖父の家にあった写真の顔だけは覚えています。

私の知っている祖父よりずっと若い時の顔で、なんだか少し切なくもあります。

薄情な孫やなぁ、と自分でも思います笑笑  

それでも、あの温もりと笑顔は変わらず心に残っています。

 

 

そして思うのです……

この先、たとえ迷いや孤独に出会ったとしても、誰の心にも、必ずあたたかな場所は残っているんじゃないかなって照れ


次回は私のヤンチャな中学時代雷を書いてみようと思います笑笑


カバー画像:TAE(イラストAC)