パラレル ホミン
Y side
連れて行かれた場所はタクシーで20分ほどの距離にある一軒家だった。
大学生の時に事故で両親が亡くなってしまった。
妹も結婚して家を出たので、今は一人で住んでいるとチャンミンは話していた。
通されたリビングはあまり生活感がなくて、妙に寒々しく感じる。
勧められるままにシャワーを浴び、入れ替わる様に浴室に向かったチャンミンをソファに座って待つ。
酷く緊張するかと思ったけれど、ここに来るまでに不思議と落ち着いていた。
タクシーの中でそっと手を繋ぐと、おずおずと握り返して来るチャンミンが可愛かった。
運転手に気を使ってか、正面を向いたまま、
何事もないように振る舞う彼の耳が赤く染まって行くのが印象的だった。
準備をするから、少し時間が掛かるとは言われたけれど、待ち時間が酷く長く感じる。
と言って、この何とも言えない感覚を邪魔されるのが嫌で、テレビを点ける気にもなれないし、スマホも触りたくない。
渡されたペットボトルから水を飲み、部屋の中を眺めつつ、チャンミンのことを思った。
今頃どんな気持ちでシャワーを浴びてるんだろう。
前の恋人とはセックスが原因で別れたと言ってたし、必要以上に緊張してるんだったら気の毒だなと思う。
気持ち良くしてあげたいとは言ったけど、自信が有る訳ではない。
でも、気持ちがあれば、優しくしたいと思えば、大丈夫だろうと何となく思っている。
過去付き合った女性達にも不満を口にされた事はないし、あれが演技じゃないなら、満足しているように見えた。
「お待たせ」
背後から声が掛かり、シャワーを終えたチャンミンがリビングに姿を現す。
髪はキッチリ乾かされていて、赤いストライプのパジャマが似合ってる。
気怠そうな雰囲気が色っぽい。
ソファから立ち上がり、チャンミンの前に歩いて行って腰に手を回し抱き締める。
ビクリと震える肩が彼の緊張を現していた。
そのまま顔を傾けて、唇にキスをする。
軽く食むように何度か啄むと、俺の首に手を回してチャンミンが深くキスをして来た。
自分のペースでキスをしたいと話していたから、態と積極的に動き過ぎないようにする。
キスの合間に見詰めると、同じ様に彼も俺を見詰めていた。
「ユノさんのキス好き」
「俺もチャンミンのキス、凄く気持ち良いよ」
「本当?良かった」
言葉終わりにチュッと口付けると、同じ様にチャンミンが返して来る。
「寝室は?」
「こっち」
名残惜しそうにゆっくりと首に回した手を解いて、チャンミンが俺の手を引いて歩き出した。
続く
皆さまメリークリスマス

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