リアル設定 ホミン






「ただいま」



玄関を開けて部屋の中に向かって言うと、手を洗う為にバスルームへと向かう。



ジャージャーと水を流しながら手を洗っていると
「お帰り、チャンミナ」と背後から声が掛かる。



部屋の入り口にユノが立って此方を見てた。



「ただいま、ユノ。何か食べた?」 



聞くと「ケータリングを頼んだから一緒に食べよう」と返って来る。



気遣いが嬉しくて微笑むと、ユノもホッとした様に笑った。


その表情を見るとユノがかなり気にして待っていたのが伝わって来る。
 


あれこれ気にし過ぎて居たけど、ちゃんと彼の気持ちは俺に向いてるみたいだ。



でも、これが分かるのも顔を合わせているからこそで、

本当に二人の時間を持つのは大切な事だなと実感した。





ダイニングテーブルの上には俺の好きな物が並んでいた。



「食べよう」



促されて着席すると、コトリと音を立ててビールの缶が置かれる。

至れり尽くせり過ぎて怖い位だ。




マネージャーが言う様に、反省したみたい。



「お疲れ様」



ビールは苦手なのに珍しくユノも缶を手に持ちカツンと合わせる。

一息に飲み干して「うまー」と思わず声を上げるとユノが微笑んでこっちを見てる。



「何ですか?」



気恥ずかしくて聞くと「いや、最近チャンミンのその姿見てなかったなーと思って」と返って来た。




そりゃ見てないだろう。

何せ三週間近く仕事以外で会って無かったんだから。




言葉を飲み込んで見つめると「ごめんな、チャンミナ」とユノが真面目な顔で言う。
 


「会いたいと思ってくれてたって事で良い?」



聞かれて頷く。



「俺も会いたいと思ってたって言ったら、信じてくれる?」


「今の顔見たら信じられるけど、
会ってない間は俺の事なんて忘れてると思ってた」




正直な気持ちを伝えると、ユノが困った様に笑う。



「そんな事思わせちゃってたのか」


「ヒョン、忘れっぽいから。
  どれくらい二人の時間を持ててないのかも、分かってないんだろうなって」



あまり深刻になり過ぎるのも嫌で、目の前に並んだ食事に手を伸ばすと、ユノも同じ様に料理を取る。


取りにくそうなトッポギをお皿に乗せて渡してあげると、ありがとうと受け取った。



それを食べながらユノが話し出す。



「俺も、お前はあんまり会いたくないのかなぁって思ってた、今日のメール貰うまで」


「え?」



思いもしてなかった言葉に思わず料理を食べる手が止まり、声が上がる。



「昔は俺からよく連絡取ってたけど、兵役中はチャンミナから連絡してくれる様になって、

会いたいとか寂しいとか素直な気持ちも言ってくれるようになっただろ?」


「はい」



言わなければ本当に全く会えない状況だったから。



「兵役終わった後も暫くそうだったのに、急にお前からそういう連絡が来なくなったから、あんまり会いたくないのかと思ってた。

   元々一人で居るのも好きだし、習い事で忙しいみたいだし、邪魔したら悪いなと」


「この一週間はネガティブな事考えない様に詰め込んでたんですけどね」


「そうだったのか」


「はい・・・」


それからポツリポツリと悩んでた事を話した。



ユノは真剣な顔で相槌を打ちながら静かに聞いてくれる。



漸く全部話し終わった所で、「この前さ」と口を開いた。


「マネージャーに怒られた」


目を瞠ると、ユノが苦笑いをして鼻を掻く。


「『お前さぁ、意地の張り合いでもしてんの?チャンミンの性格分かってんだろ?』って」



あの日、俺の様子がおかしかったから提言してくれてたのか。



今日も何も知らないふりをしてくれてたマネージャーの優しさに感謝の気持ちが湧き上がる。




続く







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